ゴールデンウィークの海外旅行、震災の影響で伸び悩む−4月から回復の声も

 旅行会社各社のゴールデンウィーク(GW)の海外旅行の予約は、東北地方太平洋沖地震の影響で伸び悩んでいる。阪急交通社によると、4月1日現在、GW期間(4月24日〜5月5日)の予約者数は前年比20%減で推移。地震の影響によるキャンセルや、新規申し込みの減少が響いた。同社では東京方面の新聞広告の出稿を見合わせており、大阪方面では3月下旬か新聞広告を徐々に開始しているが、前年を上回るほどの伸びにはならないとの考えだ。方面で見ると日並びのよさからヨーロッパやカナダ、アメリカが健闘しており、韓国や台湾など近距離方面でも予約が入ってきているという。

 クラブツーリズムもGW期間(4月25日〜5月5日)は震災の影響で落ち込んだ。被災地域以外の顧客のキャンセルも多く、同社の顧客の中心となるシニア層で旅行を自粛する傾向が強いという。航空会社各社の減便や運休などによる座席供給数の減少も落ち込みの一因となった。ただし、4月以降、消費による経済の活性化をあげる声もあり、新規予約が徐々に増加しているという。同社では4月中旬から新聞広告出稿を再開し、潜在顧客の取り込みをはかる考えだ。なお、予約状況が鈍化する中、クルーズや南米での遺跡めぐりなど、旅行目的が明確なツアーは好調だという。

 また、ジャルパックのGW期間(4月23日〜5月5日)の予約者数は、3月9日現在30%減で推移していたが、地震発生後のキャンセルにより3月23日現在で46%減と落ち込みを見せた。なかでも東京発のキャンセルがもっとも多く、次に東京経由の福岡発、札幌発が多かった。大阪発、名古屋発についてはキャンセルはあったものの、一定規模に留まったという。方面別ではアメリカやカナダなど長距離方面が人気で、日並びの良い特定の出発日、帰国日に予約が集中する傾向がある。また、GWを含む4月から6月にかけて、主力商品のハワイが好調で、3月30日時点でキャンセル数を上回る新規予約があったという。

 同社では、予約減少の対策として、間際予約に対応した商品の発売を検討中だ。今までは航空座席に余裕がある方面にのみだったが、今年は方面や出発地を横断して設定し、GW前の4月下旬に発売する考えだという。


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