フランス、日本市場の重要性変わらず、状況にあわせプロモーションを継続

  • 2011年4月4日
(ボルドー発 特派:西尾知子) ランデブー・アン・フランス(RVF)2011で、フランス観光開発機構(ATF)ディレクター・ジェネラルののクリスチャン・マンティ氏は「日本市場の重要性は変わらない。現在非常に難しく、大変な状態にはあるが、今後もフランスにとっての重要市場のひとつとして、サポートをしていく」と語った。

 これは記者会見後のRVF会場で同氏が本誌記者に対し語ったもの。2009年の訪仏日本人観光客数は前年比4%増の約57万人で、2010年の宿泊日数は13%増の見込みという。

 震災と原発事故を受け、RVFに参加している旅行会社によると3月から4月はキャンセルが続き、「ゴールデンウィークの集客も見込めないのではないか」という声が聞かれており、日本市場は縮小が予想されている。しかし、ATFはプロモーション予算の変更はせず、日本の復興状況や市場を見ながら「フレキシブルなサポートをしていく」(ATF在日代表のフレデリック・メイエール氏)とする。

 ATFとしても3月に日仏双方の交流を含めた新規プロモーションの発表を予定していたが、変更を余儀なくされ、新たなプロモーション計画は秋頃になる見込み。当面は日本旅行業協会(JATA)や日本政府観光局(JNTO)など関係諸機関と話し合いながら、状況に応じた最善のサポートを実施していく。また業界に対してはファムツアーやワークショップ「SAKIDORI FRANCE」などを開催し、最新情報や現地関係者との交流の場を設けるほか、一般消費者に対してはインターネットや雑誌などメディアを通じた情報発信をして、潜在需要を喚起し続けていく考えだ。


▽パリも長距離方面2位の日本を重視

 一方、2012年にランデブー・アン・フランス開催が予定されているパリ−イル・ド・フランス観光局は3月29日、記者会見を開催し、フェスティバルやイベント、ライフスタイルなどを軸とした滞在型のピーアールを展開すると発表した。

 同局のマーケティング・ディレクター、ニコラス・バレー氏によると、2009年にパリを訪れた観光客数は前年比8%減の約3300万人。うち外国人客は1300万人で、その50%がリピーターという。

 今後の施策は「リピーターを増やすことが重要」(バレー氏)。夏のイベントや文化、グルメなどの滞在に繋がる素材を軸に、ウェブサイトやフェイスブックなど、様々なメディアを通して情報発信とピーアールを展開していく。また旅行会社に対し「多様な素材を用意している。旅行会社があっての観光開発。ぜひ商品造成と送客をお願いしたい」と語った。

 また、2009年の日本人観光客数は約55万人で、日本はロングホール市場のなかで米国に次ぐ第2位となっている。パリ市観光会議局局長のポール・ロール氏は「日本はパリにとって大切な友人であると同時に、ビジネスパートナーであり、非常に重要なマーケット。今後多様な問題があるだろうが、状況に応じたサポートをしたい。今後もワークショップなどを通じ、業界との関係を密にしていきたい」と語っている。


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