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震災復興担う人材育成に海外教育旅行を−マレーシア政観とエア・アジア協働

  • 2011年3月30日
 マレーシア政府観光局は3月29日、都内で教育旅行セミナーを開催した。マレーシア政府観光局東京支局長のノール・アズラン氏は東北地方太平洋沖地震に対し「日本の皆様の一刻も早い復興と、現在の困難に立ち向かっていくことをお祈りする」と述べた上で、「日本の復興にあたり、学生達の担う役割は大きなものがある。それがこの時期にセミナーを開催した理由の一つ」と説明。「マレーシアは時代を担う若者たちの育成に大きな貢献ができる」とマレーシアでの教育旅行をアピールした。

 マレーシア政府観光局マーケティングマネージャーの徳永誠氏は、「感受性の強い青少年達が悲惨な状況をテレビなどで見て、大きな不安を抱えているのでは」と懸念。日本の若者が内向き志向や引きこもり傾向にあり、海外留学も減少する中で、「夢と希望を失わず、日本の復興と再建を担っていく『生きる力』のある学生」の育成が重要であるとし、「(学生が)同世代の若者達との交流や学びの場を通してプラスの刺激を受け、明日の世界を築こうとする積極的な意識が芽生えるよう、政府観光局として最大の支援を実施していく」考えを示した。

 同局では未来の日本とアジアを担う人材養成を目的に、エア・アジアX(D7)と共同で「ルックマレーシアプログラム」を実施する。これは首都圏の大学生を対象に、「日本とマレーシアの未来への提言」をテーマにした800字のエッセイを募集するもの。募集期間は2011年4月から6月で、2011年6月末に当選者を発表する。当選者は8月に3週間、マレーシア各地へと派遣する計画だという。

 日本修学旅行協会によると、2010年の日本からの海外修学旅行数ではマレーシアは96校1万4208人となり、1位の韓国の206校2万4274人、2位のオーストラリアの169校2万1194人に次いで3位となった。徳永氏はマレーシアでの教育旅行のメリットとして、治安が良いことや自然災害ないことなど安全性を強調。さらに、日本から6時間半というアクセスの利便性や、インフラが整備されていること、通貨や物価の安定などをメリットとしてあげた。

 なお、セミナーでは学校や参加した学生が教育旅行の事例を説明。国内の修学旅行と比較すると金額面でメリットがある、という声や、D7などのLCCを教育旅行に活用する可能性を指摘する声などがあげられた。