ニュージーランド、空港閉鎖解除−旅行各社、ツアー再開には慎重姿勢

  • 2011年2月24日
 外務省大洋州課によると、ニュージーランドのクライストチャーチで発生した地震の影響で、日本時間2月23日午前5時現在、大聖堂や商業施設のあるクライストチャーチ中心部が制限区域となっている。電気は徐々に復旧し始めている模様だが、水道管の破裂が発生し、被災地域の80%以上が断水。クライストチャーチ大使館では、ホームページ上で「余震もたびたび発生」と現状を伝えており、予断を許さない状況だ。一方、クライストチャーチ空港(CHC)は閉鎖を解除。現地ランドオペレーターによると、「足の確保はできつつあるが予約はいっぱいで、フライトスケジュールも乱れている」状況だが、2月23日午前8時頃に国内線、午後0時頃に国際線の運航をそれぞれ再開した。

 ニュージーランド航空(NZ)では自社ホームページで、「一部の便に大幅な遅延や欠航が発生する可能性があります」としながらも、運航再開を案内。また、今回の地震による直接的な被害を受けた人の近親者で、クライストチャーチ発着便を希望する人を対象に、日本/ニュージーランド間片道400ニュージーランドドルの特別運賃を用意。このほか、2月25日までの予約、利用に限りクライストチャーチを発着する全てのNZ国内線を片道50ニュージーランドドルで提供する。ホームページもしくはエアーニュージーランドトラベルサービスで受け付ける。

 また、2月22日までに発券したクライストチャーチを旅程に含む日本発着国際線航空券について、3月25日までにクライストチャーチを発着する航空券であれば9月30日までのNZ航空便に変更手数料なして変更できるようにした。さらに、目的地の変更も可能だ。


▽旅行会社各社はツアー催行中止を決定、延期

 旅行会社では、2月末もしくは3月以降の出発分までパッケージツアーの催行を中止する動きがでている。ジェイティービー(JTB)では、22日から26日出発分までクライストチャーチを含むパッケージツアーの催行を中止しており、27日以降については未定だ。また、JTBによると現地に滞在中の464人のうち、10名の安否確認が未だできていない状況だ。近畿日本ツーリスト(KNT)では、クライストチャーチ滞在を含むツアーについて3月25日出発分まで中止すると決めた。

 日本旅行では、3月10日出発分までクライストチャーチ滞在を含むツアーの催行を中止。阪急交通社も2月28日出発分までニュージーランド方面の全ツアーの催行を中止した。同社によると2月22日午後17時時点でパッケージツアー、団体旅行あわせて111名が現地に滞在していたが安否確認は全員とれているという。エイチ・アイ・エス(HIS)でもクライストチャーチを含むツアーの催行を2月28日出発分まで中止した。クライストチャーチ空港を乗り継ぎのみで利用するコースは催行する。

 催行中止を決定、延長した旅行会社各社ではいずれの場合も、クライストチャーチ中心部の建物の崩壊や破損が激しく、電気や水、ガスなどのライフラインが通常通りではないこと、現時点では立入制限区域や非常事態宣言が発出も出ていることなどから、通常観光が難しいと判断した。

 なお、楽天トラベルでは、クライストチャーチを訪れる旅程で予約していた人は11名。安否確認は現在進めているところだ。予約受付、予約キャンセルについては、通常通り対応している。



▽参考情報
・ニュージーランド航空
http://www.airnewzealand.jp/christchurch-earthquake-update
・クライストチャーチ空港(ツイッター)
http://twitter.com/CHC_Airport
・Google Crisis Response
http://www.google.com/crisisresponse/christchurch_earthquake.html


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