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訪日外国人の都道府県訪問率、東京が12年ぶりに6割超え−JNTO調査

  • 2011年2月2日
 日本政府観光局(JNTO)が訪日外国人旅行者を対象に実施したインタビュー調査「JNTO訪日外客訪問地調査2010」で、訪日外国人の都道府県訪問率は東京が1位で60.3%となり、12年ぶりに6割を超えた。上位は2009年から変動なく、2位は大阪府の26.1%、続いて京都府が24.0%、神奈川県が17.8%、千葉県が15.0%、愛知県が10.9%、福岡県が9.1%。各都道府県の訪問率の合計は248.4%と過去5回の調査で最多となり、JNTOでは観光目的の外国人、なかでも中国人観光客の複数の都道府県を周遊する旅行が増加したとしている。

 東アジア主要4市場の傾向を見ると、中国では東京への訪問率が80.0%と過去最大になったほか、観光客に人気のゴールデンルートや北海道で訪問率が大きく伸びた。韓国では九州各県の順位が大幅に上昇。台湾では立山と黒部の人気により、富山県が初めて上位15位に入った。香港では、福岡の順位が航空路線の運休・減便の影響などで18位となり、過去5回の調査で初めて上位15位を下回った。

 訪日外国人の訪日目的では、観光目的の訪日外国人客の割合が9ポイント増の57.8%と過去最大を記録した。観光客は香港、台湾、韓国などのアジア市場で比率が高く、ビジネス客の比率はアメリカ、イギリス、ドイツが高かった。また、リピーター率は過去5年で初の減少となり、初めて訪日する観光客が増加した。JNTOは中国をはじめとする訪日旅行市場の裾野が拡大したとの見方だ。

 旅行形態別では、観光客の59.2%が個人旅行で来日。個人旅行の比率がもっとも高かったのはイギリスの93.4%で、欧米やオーストラリアからの観光客も個人旅行の割合が高かった。一方、団体旅行の比率がもっとも高かったのは中国で、80.9%だった。


▽観光客の訪日前に期待したこと、2年連続「食事」が1位

 観光客が訪日前に期待したことでは、「食事」が62.5%と2年連続で1位となり、2位も前年と同様「ショッピング」が53.1%でランクインした。3位から5位は「歴史的・伝統的な景観、旧跡」45.8%、「自然、四季、田園風景」45.1%、「温泉」44.3%でほぼ同率だった。このうち、特に満足した食事は昨年に引き続き「寿司」が44.0%、「ラーメン」が24.0%、「刺身」が19.7%となった。

 調査は新千歳、仙台、成田、羽田、中部、関西、福岡、那覇の各空港と博多港から出国する、滞在日数が2日以上90日以下の外国人旅行者を対象に実施した。調査時期は2010年2月と3月、5月と6月、7月と8月、9月と10月の8ヶ月間で、回答者数は2万1342人だった。