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サービス連合、35歳年収550万円に向け指標策定、11年春闘から活用へ

  • 2011年2月2日
 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(連合)はこのほど、中期的目標として取り組む「35歳年収550万円」の実現をめざし、新たに指標を策定した。これは、2010年度賃金実態調査での35歳時の年収水準を基準として、500万円から549万円までの「Aランク」から299万円以下の「Fランク」まで、6つのランクを設定したもの。サービス連合は、指標をもとに各加盟組合に対して年収ランクを通知。加盟組合はそれに基づいて個別の賃金目標や行動計画を策定し、賃金水準の底上げに取り組む。それぞれのランクには複数の目標値を設定しており、3年から5年以内に達成可能な目標を段階的に設定できるようにした。

 指標は2011年春闘から導入。正規労働者については、賃金カーブ(賃金制度)維持分の確保を前提とした上で、全加盟組合で今回策定した指標を参考にした具体的な水準の引き上げか、0.5%以上の実質賃金の改善をはかる。一時金については年収の維持や向上の観点から、要求水準を4.0ヶ月に設定。到達目標水準は引き続き5.5ヶ月以上とした。ただし、加盟組合が指標にもとづいて要求する場合は、各加盟組合で具体的な要求を設定するものとした。

 さらに、雇用確保を前提とした契約社員やパートタイマーなどの待遇改善、最低保証賃金の協定化、年間総実労働時間の縮減、男女平等の推進、裁判員制度への対応、60歳以上の雇用確保、雇用の安定的な確保などにも取り組む。たとえば、契約社員やパートタイマーなどの待遇改善では、月例給労働者は3900円以上、時間給労働者は、20円以上の賃金改善をめざす。また、目安とする年齢別の最低保証賃金については、今回からホテル・レジャー業と観光・航空貨物業で統一して要求。賃金水準の底上げと格差是正の取り組みを進める。

 要求書の提出は原則として2月末日とし、提出が困難な場合は闘争委員会と調整し3月上旬までの提出とした。また、早期決着をめざすために3月中旬に集中交渉期間をもうける。具体的な日付は3月3日に設置する中央闘争委員会で協議し、決定する。各加盟組合は3月末日までの決着をめざす。

 なお、2010年の秋闘では、30組合が冬期一時金を中心に要求を掲げた。多くの企業が業績の推移や決算状況を慎重に見極めようとする姿勢をとったことで交渉が長期化したが、12月20日現在で集計できた合意23組合では、単純平均で前年比約0.342ヶ月増の約1.247ヶ月分となり、前年から微増した。ただし、年間一時金は夏期一時金が前年を下回った影響で、0.005ヶ月減の2.700ヶ月となった。