訪日外客数が過去最多、27%増861.2万人に−11年は1100万人水準めざす
日本政府観光局(JNTO)によると、2010年の訪日外客数(推計)は前年比26.8%増の861万2000人となり、目標としていた1000万人には届かなかったものの、過去最高値を記録した。伸び率も2009年の落ち込みの反動もあり、大阪万博が開催された1970年の40.4%に次ぐ高さとなった。観光庁長官の溝畑宏氏は1月26日の定例会見で「今後のインバウンドを促進するうえで大きな前進」と喜びを示した。
JNTOによると、2010年は世界各国の景気回復による外国旅行需要の拡大、中国の個人観光ビザ緩和や九州の訪日クルーズの増加などが増加要因になったほか、10月末からの羽田空港の新国際ターミナルの供用開始や成田空港の発着枠拡大も追い風になった。また、2009年の需要が停滞するなか、継続してプロモーションをはじめ誘致活動事業を展開した効果が表れたとの考えだ。
一方、観光立国推進基本計画で2010年の目標に設定した1000万人に到達しなかったことについて、溝畑氏は「原因と結果を真摯に受け止める必要がある」考えを示した。同氏は外的要因として尖閣諸島問題と円高をあげ、試算によると尖閣諸島問題で約16万人、円高では少なくとも33万人の訪日外客が減少したと分析。さらに、外的要因以外の不足分を約90万人とし、プロモーションの効果が出るまでのタイムラグ、プロモーション戦略や体制などの不十分さ、国内受入環境の整備の遅れを指摘した。
▽2011年は「1100万に近い水準」めざす−中国、韓国に注力
溝畑氏は、「(2010年の目標は達成しなかったものの)2013年の訪日外客1500万人という目標はゆるがない」とし、2011年は「1100万人により近い水準」をめざす考えを表明。同じく26日に会見に臨んだJNTO理事長の間宮忠敏氏も、「今年は2013年の1500万人という大きな目標のスタートの年。しっかり取り組んでいきたい」と語った。
具体的には、引き続きプロモーションを強化するとともに、受入環境の整備に注力。外務省の在外公館と連携して海外での情報発信の強化をはかるなど、他の省庁と連携したプロモーションも実施する考え。また、日本の観光資源の差別化、個別化を進めていく考えで、医療、スポーツ、文化観光、グリーンツーリズム、エコツーリズムなど多様なテーマでのアピールをはかる。
また、受入環境の整備として、20ヶ所前後のモデル地区をつくり、言語のバリアフリー化や観光のICT(情報通信技術)化を勧めていく。具体的には旅館やホテルでの外国語テレビ番組の導入や通訳案内士の育成、主要国際空港での公衆無線LANの無償化を促進する。溝畑氏によると、公衆無線LANの無償化は成田空港以外の主要国際空港で完了しているといい、成田空港に対しても春ごろまでの導入をはたらきかける考えだ。
なお、市場別では、2010年に53.8%増の243万9800人となった韓国と、40.5%増の141万3100人となった中国に対する取り組みをさらに強化。ただし、例えば中国は尖閣諸島問題の影響で10月から12月は減少基調となっており、溝畑氏は突発的な事件や事故、自然災害など外的要因によるリスクの分散をはかるため、2012年にワシントンへの桜の植樹から100周年を迎えるアメリカや、経済成長が続くタイ、マレーシア、ベトナムにも力を入れていく考えを示した。
JNTOによると、2010年は世界各国の景気回復による外国旅行需要の拡大、中国の個人観光ビザ緩和や九州の訪日クルーズの増加などが増加要因になったほか、10月末からの羽田空港の新国際ターミナルの供用開始や成田空港の発着枠拡大も追い風になった。また、2009年の需要が停滞するなか、継続してプロモーションをはじめ誘致活動事業を展開した効果が表れたとの考えだ。
一方、観光立国推進基本計画で2010年の目標に設定した1000万人に到達しなかったことについて、溝畑氏は「原因と結果を真摯に受け止める必要がある」考えを示した。同氏は外的要因として尖閣諸島問題と円高をあげ、試算によると尖閣諸島問題で約16万人、円高では少なくとも33万人の訪日外客が減少したと分析。さらに、外的要因以外の不足分を約90万人とし、プロモーションの効果が出るまでのタイムラグ、プロモーション戦略や体制などの不十分さ、国内受入環境の整備の遅れを指摘した。
▽2011年は「1100万に近い水準」めざす−中国、韓国に注力
溝畑氏は、「(2010年の目標は達成しなかったものの)2013年の訪日外客1500万人という目標はゆるがない」とし、2011年は「1100万人により近い水準」をめざす考えを表明。同じく26日に会見に臨んだJNTO理事長の間宮忠敏氏も、「今年は2013年の1500万人という大きな目標のスタートの年。しっかり取り組んでいきたい」と語った。
具体的には、引き続きプロモーションを強化するとともに、受入環境の整備に注力。外務省の在外公館と連携して海外での情報発信の強化をはかるなど、他の省庁と連携したプロモーションも実施する考え。また、日本の観光資源の差別化、個別化を進めていく考えで、医療、スポーツ、文化観光、グリーンツーリズム、エコツーリズムなど多様なテーマでのアピールをはかる。
また、受入環境の整備として、20ヶ所前後のモデル地区をつくり、言語のバリアフリー化や観光のICT(情報通信技術)化を勧めていく。具体的には旅館やホテルでの外国語テレビ番組の導入や通訳案内士の育成、主要国際空港での公衆無線LANの無償化を促進する。溝畑氏によると、公衆無線LANの無償化は成田空港以外の主要国際空港で完了しているといい、成田空港に対しても春ごろまでの導入をはたらきかける考えだ。
なお、市場別では、2010年に53.8%増の243万9800人となった韓国と、40.5%増の141万3100人となった中国に対する取り組みをさらに強化。ただし、例えば中国は尖閣諸島問題の影響で10月から12月は減少基調となっており、溝畑氏は突発的な事件や事故、自然災害など外的要因によるリスクの分散をはかるため、2012年にワシントンへの桜の植樹から100周年を迎えるアメリカや、経済成長が続くタイ、マレーシア、ベトナムにも力を入れていく考えを示した。