国交省、中国側の発着枠拡大を暫定認可−関空と中部で

  • 2011年1月25日
 国土交通省は関西国際空港と中部国際空港において、中国の航空会社に対し、発着枠の制限数を超える運航を暫定的に認可すると発表した。これは1月20日に開催された、関空と大阪国際空港(伊丹空港)の経営統合に関する意見交換会で示されたもの。日中間でのオープンスカイ実現に向けた航空交渉が中断していることから、暫定的な緩和を決定。期限は特に設けないが、航空交渉で「詳しい枠組みに同意するまで」実施する考えだ。

 国土交通省によると、中国の航空会社の発着枠は現在週189往復だが、既存路線でほぼ埋まっており、デイリーでの新規就航は不可能な状態だ。中国の航空会社から要請があれば、認可の検討を開始する。関空の強みである中国路線の拡大を可能にすることで経営改善をはかるとともに、中国からのインバウンド促進もねらう考えだ。

 関空は「発着枠の制限により就航を見合わせていた航空会社がまったくないわけではない」とし、就航を希望する航空会社と優先的に話を進めていく考えを示した。現在路線の無い地域からの誘致をはかるため、就航の可能性がある航空会社に対しエアポートプロモーションなどを検討しているという。また、中部も「中国のネットワークは重要」とし、発着枠拡大による旅客や貨物の需要増に期待。今後は中国の航空会社の誘致に向けて働きかけを続けていく方針を示した。