年間アクセスランキング、1位は羽田国際化−再編や事故などキーワード並ぶ
[総評] 今回は、2010年の1年間を通してのアクセスランキングです。今年掲載した記事は、日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)とトラベルニュース社からご提供いただいている情報などを含めて約4000本となりましたが、そのうち最も多く読まれたのは、10月31日に32年ぶりに羽田空港から国際定期便が飛び立った記事でした。羽田に関しては、就航路線がはっきりしていなかったこともあって今年前半は注目も今ひとつであったように記憶していますが、10月に近づくにつれて一般メディアでの露出も劇的に増加し、終わってみれば年間ランキング1位も不思議ではないほどの、ある種の“お祭り”のような盛り上がりを見せました。
この盛り上がりがどれほど旅行会社のビジネスに繋がるかは未知数ですし、深夜早朝枠の便はやや苦戦しているとの話も伝え聞きます。しかし、逆にいえば来年以降に就航予定の欧米線を含めて、羽田空港から行く海外旅行をどのように魅力づけするかが旅行会社の腕の見せどころでしょう。例えば、今年開港した茨城空港のツアーで都内からバスを設定して需要獲得につながった旅行会社もあるといいますし、デメリットをカバーする方法を考え出したいところです。
また、今年はエアバスA380型機関連のニュースが100位以内に4件入りました。ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)とエールフランス航空(AF)が相次いで成田線にA380型機を投入し、話題となったことは記憶に新しいところです。さらに、スカイマーク(BC)が同型機で欧米線に進出しようとする計画を発表したことは、大きな驚きを持って迎えられました。
BCは、運航中の機材のコックピットで記念撮影をして国土交通省から処分を受けたことや2008年の運休騒動など、企業体質への懸念もあるものの、個人的には大いに期待しています。日本人は乗り物好きといわれますし、A380型機の運航が実現すれば間違いなく需要拡大に繋がるはずです。ぜひ導入時期の2014年までに懸念を払拭して、日本の空に新しい風を吹かせてほしいと思います。
新機材という意味では、来年はようやくボーイングB787型機の納入が始まる予定です。ドリームライナーと呼ばれる同型機は、機体のサイズと航続距離のバランスから路線開設の幅を広げるとされておりますので、こちらも新たな動きが期待されます。
一方、今年はスイスでの氷河特急の脱線と横転、米国やエジプトでのバス事故など、「事故」が目立った1年でもありました。旅行会社がどこまで安全を確保できるのか、あるいはすべきなのかは難しい問題ですが、安全に気を配らない旅行会社は間違いなく業界を去ることになるでしょう。旅行の安全には、旅行会社だけでなくオペレーターやサプライヤー、添乗員など多くの組織や人が関わりますから、一部にその責任を集中するようなことのないよう、旅行業界としての取り組みがなされるよう期待したいところです。
このほか、JTBビジネストラベルソリューションズ(JTB−CWT)による内外航空サービスの子会社化のニュースも注目を集めました。今年はグッドラックツアーや牧野航空旅行の倒産などもありましたが、来年も基本的な経営環境は変わらないでしょうから、再編の話題は続く可能性が高そうです。また、現在進められている店舗の再編などビジネスモデルの改革も、さらに進むでしょう。
外国の方に取材をしている際、将来の見通しを聞くと「水晶玉を持っていないからわからないね」と冗談めかした答えが返ってくることがありますが、確かに2011年が旅行業界にとってどのような1年になるのかは誰にもわかりません。ただ、個人にとって、であれば、どのような1年に“なる”のかではなく“する”のか、と考えることもできます。
昨年も同じようなことを書きましたし、普段から似たような青臭い論調ばかりであることは自覚しています。それでも、せっかく楽しい旅行に携わっているわけですから楽しく取り組みたいですし、皆様にも明るさをお届けしたいと思います。環境を悲観していてばかりでは自らの未来も暗いものになってしまいます。逆に、一人ひとりが前向きに自らを高める努力をしていれば、きっと全体にも良い影響が出るはずです。2011年が皆様と旅行業界にとって良い1年になるよう心からお祈りしています。
今年も1年間、ご愛読いただきましてありがとうございました。情報の量、質、スピードなど、あらゆる面でまだまだ改善の余地がありますが、来年も一つずつ確実に取り組んでいく所存です。引き続きご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。(松本裕一)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年1月1日2時〜12月24日18時)
第1位
◆羽田空港、国際化へ一歩、冬スケジュール始まる−各社が記念行事開催(10/11/01)
第2位
◆ニュージーランド航空、エコノミーにも「水平シート」−機内設備を刷新へ(10/01/27)
第3位
◆米ESTAが9月に有料化、取得料は14米ドルに−支払いはクレジットカード(10/08/10)
第4位
◆ビバマカオが運航停止、日本人100名以上足止めか−マカオ政府は手厚い対応(10/03/30)
第5位
◆W杯手配のツール・アフリカ、連絡不通に−人数不明、JATAなど注意喚起(10/04/30)
第6位
◆日本航空、国際線11地点から撤退へ、座席供給量4割減に−羽田線就航も(10/04/28)
第7位
◆春秋航空が茨城に就航、初便搭乗率80%も「不満」−片道4000円に意欲(10/07/29)
第8位
◆グッドラックツアーが業務停止、予約記録の振替対応など営業は継続(10/05/13)
第9位
◆JATA世界旅行博が開幕、139の国と地域が参加、来場者11万人見込む(10/09/24)
第10位
◆羽田/米国線が仮決定、ハワイアン航空就航へ−DL2便、AA1便、UA・COはなし(10/05/10)
第11位
◆UAとCOが対等合併で合意、新社名「ユナイテッド航空」−既存路線網は維持へ(10/05/07)
第12位
◆TAM航空、東京事務所を開設−スターアライアンス加盟で販売拡大ねらう(10/04/28)
第13位
◆日本旅行、中国発の訪日医療観光が好調、目標上方修正も(10/04/28)
第14位
◆フォトニュース:欧州高速鉄道の旅、サービス充実でビジネス客取り込みへ(10/09/03)
第15位
◆欧州各国、寒波で交通網混乱、見通しも不透明−旅行会社は落ち着いて対応(10/12/21)
第16位
◆就職人気、文系はJTBが1位、3年連続−100位以内にHIS、KNT、日旅(10/03/11)
第17位
◆羽田国際線、「方面まんべんなく」−中国は最大1日20便(10/02/23)
第18位
◆全日空、2期連続の最終赤字、10年度は国際線強化で黒字化へ(10/04/30)
第19位
◆HIS、新ブランド「QUALITA」で上質な旅を提案−3年で売上100億円めざす(10/05/18)
第20位
◆バンコク滞在ツアーの各社催行状況、事態収束せず対応継続が多数(10/05/07)
第21位
◆米系5社が羽田/米国線を申請、1日4便の枠に1日11便−ハワイアン航空も(10/02/18)
第22位
◆フォトニュース:クリスマスの色に染まるウィーン、クリスマス市を訪ねて(10/12/11)
第23位
◆トップインタビュー:キャセイパシフィック航空日本支社長サイモン・ラージ氏(10/04/28)
第24位
◆阪急交通社、旅行取扱額で3位浮上−阪神航空と統合で2位も視野(10/05/10)
第25位
◆MICEケーススタディ:インセンティブ「日本アルコン株式会社」(10/04/28)
第26位
◆日本航空、更生計画案を提出−1.6万人削減も旅行子会社は「戦略的に必要」(10/09/01)
第27位
◆第1種アクセスインターが営業停止−全日空代理店、09年度負債は7.4億円(10/12/01)
第28位
◆フォトニュース:セントレジスホテル大阪がオープン、伝統と現代性を両立(10/10/08)
第29位
◆HIS、トラベルワンダーランド新宿本社をリニューアル、最新システムを導入(10/05/07)
第30位
◆現地レポート:米国フロリダ州、テーマパークだけではないオーランド(10/06/04)
第31位
◆JTB首都圏、大型店4店舗をトラベルゲートに−合計6店舗で初年度300億円へ(10/05/07)
第32位
◆JATA、チャーター促進で「コーディネーター」設置を検討−4月開始めざす(10/03/18)
第33位
◆茨城空港に初の国内線、スカイマークが神戸線就航へ−1日1往復、4月から(10/02/08)
第34位
◆マレーシア航空、羽田/コタキナバル線に就航、初便搭乗率は80%前後(10/11/22)
第35位
◆アミューズトラベルが業務停止処分、登山事故で−観光庁、契約済みは対象外(10/12/16)
第36位
◆全日空、国内線普通席の無料飲み物を原則廃止−有料サービス大幅拡充(10/02/01)
第37位
◆年頭所感、「厳しい」09年から「飛躍」する10年へ−大手各社トップ(10/01/06)
第38位
◆欧州便、現地18日は欠航2万便規模の見込み−空域封鎖24ヶ国に拡大<続報>(10/04/19)
第39位
◆米ユタ州でバス事故、日本人3名死亡−参加者は日旅8名、HIS4名、KNT2名(10/08/11)
第40位
◆阪急交通社社長に生井一郎氏が就任へ、組織も大幅改正で担当業務が明確化(10/03/02)
第41位
◆上海万博、誘致活動を本格展開−東京キックオフ式皮切りに(10/02/09)
第42位
◆全日空、国際線を成長の柱に−新事業戦略、国際線収入7割増へ(10/03/23)
第43位
◆香港航空、成田/香港線のデイリー運航を開始へ−東京支社も開設(10/08/18)
第44位
◆ANAグ、成田・羽田活用で国際線網を拡充−10年度輸送計画で座席キロ11%増(10/01/28)
第45位
◆全日空、羽田発の国際線を追加、羽田から9路線98便を運航へ(10/06/25)
第46位
◆ジャルパック大西社長、「まずまずのスタート」−質と新しさで目標達成へ(10/02/08)
第47位
◆ルックJTBが「決心」、16年ぶり大幅改革で脱価格競争−旅程保証も独自設定(10/01/14)
第48位
◆ブリティッシュ・エアウェイズも羽田就航へ−週5便、パリに続き2路線目(10/09/22)
第49位
◆羽田特集:24時間国際化空港としての課題−本格稼動後の発展に期待(10/10/12)
第50位
◆JTB田川社長とHIS平林社長、店舗展開、価格と価値など対論−トラベル懇話会(10/01/08)
第51位
◆スカイマーク、A380導入へ−国際線用、長距離大量輸送で低価格実現へ(10/11/09)
第52位
◆エア・アジアX、羽田就航を表明、片道5000円実現−2年で路線拡大めざす(10/09/22)
第53位
◆オークラ、JALホテルズを買収、ブランドやクーポンなど維持−相互協力へ(10/08/09)
第54位
◆夏ダイヤ、成田は対冬26便増、中東・マカオ就航で−関空・中部も増加(10/03/29)
第55位
◆燃油サーチャージ、据え置きは外航8社、改定期間2ヶ月への変更も(10/03/25)
第56位
◆日本航空、安全・安定運航維持、KBほか旅行子会社債権も保全−2年で黒字化へ(10/01/20)
第57位
◆カンタス航空、日豪間の座席供給量拡大へ−7月から成田/シドニー線にB747(10/02/26)
第58位
◆エアライン満足度1位はシンガポール航空、1部門以外トップ−日系はNHの4位(10/07/15)
第59位
◆留学手配のサクシーオが業務停止−負債総額は約8億円、渡航予定者400名以上(10/07/07)
第60位
◆牧野航空旅行が業務停止、破産手続開始へ−7月6日以降の企画旅行不可能に(10/07/05)
第61位
◆外務省、医療滞在ビザの運用を来年1月から開始−6ヶ月まで滞在可能に(10/12/20)
第62位
◆HIS、国内旅行に本腰、事業本部を設置−ハウステンボスと相乗効果ねらう(10/03/31)
第63位
◆ハワイ体験レポート:ハワイ初上陸のディズニーリゾート、視察ツアー(10/08/05)
第64位
◆ハワイアン航空、羽田線の機内サービス発表−「質」と「ハワイらしさ」重視(10/10/22)
第65位
◆2011年の海外旅行者数は4%増、羽田国際化が需要を喚起−JTB予想(10/12/20)
第66位
◆日系2社、羽田など路便計画変更−JLはJOと統一、NHは羽田/中国増便見送り(10/08/23)
第67位
◆旅行業倒産件数、上期は12件−グッドラックツアーやアールエイジェイなど(10/10/12)
第68位
◆JTB、エジプトでバス事故−10名けが、現地ガイド意識不明(10/06/28)
第69位
◆JTB、欧州事業の経営統合を推進、発・受けを事業ユニット化−人事異動も(10/01/19)
第70位
◆ハワイ州観光局、2010年は大幅成長に意欲、座席拡大と円高基調で市場回復へ(10/02/02)
第71位
◆新成長戦略、観光への注力掲げる−20年までに訪日2500万人、休暇分散化も(10/06/21)
第72位
◆顧客満足度調査、楽天とKNTが1位、国際線はシンガポール航空(10/11/04)
第73位
◆IHG、大阪にインターコンチネンタル開業へ−ホテルとレジデンス、13年目標(10/07/30)
第74位
◆APEC観光相会合、「奈良宣言」採択−観光で経済成長めざし域内協力強化へ(10/09/24)
第75位
◆コンチネンタル航空、B777全機にビジネスファースト新シート導入完了(10/12/08)
第76位
◆JTB−CWT、内外航空を子会社化へ−業務渡航シェア15%に、選択と集中を加速(10/11/29)
第77位
◆エールフランス航空もA380、成田/パリ線に9月から−世界3都市目(10/06/09)
第78位
◆第3種のアールエイジェイトラベルが営業を停止、ウェブで格安航空券を販売(10/08/24)
第79位
◆日系2社、羽田新路線の値付けに差−JLは2方面、NHは全路線で成田線より高額(10/07/09)
第80位
◆休暇分散アンケート、滑り出しは否定意見が集中−「効果なし」6割超(10/06/25)
第81位
◆ジャルパック、オペレーター事業縮小、人員削減も−北米・オセアニアで(10/10/07)
第82位
◆JTB、トラベランド店舗を地域各社に再編−首都圏法人営業、国内仕入関連も(10/10/05)
第83位
◆トップインタビュー:シンガポール航空日本支社長キャンベル・ウィルソン氏(10/08/10)
第84位
◆デルタ航空、羽田路線のスケジュール発表−乗継以遠の需要も見込む(10/07/20)
第85位
◆サニー航空、年末から日本へチャーター計画、双方向強みに定期便化も視野(10/11/30)
第86位
◆旅行各社、“羽田発海外”ツアー出そろう−地方発需要への対応も(10/08/19)
第87位
◆CO、UAとの合併でビジネス拡大に期待−太平洋路線の新型シート導入も完了(10/09/09)
第88位
◆トップインタビュー:日本旅行・アメリカンエキスプレス代表取締役社長 竹村章美氏(10/07/14)
第89位
◆全日空、LCC事業開始へ−運賃は大手の半額以下、11年度下期運航開始予定(10/09/10)
第90位
◆ルフトハンザ、A380運航開始−マイヤーフーバーCEO、日本は「永続的に重要」(10/06/14)
第91位
◆エミレーツ航空、A380を1兆円分オーダー−合計発注数は90機に(10/06/11)
第92位
◆エア・アジアX就航、デイリー運航に意欲−直販が9割、LCCモデル普及に自信(10/12/13)
第93位
◆JTB田川社長、11年は「仕掛ける」年−「決心」継続、チャーターも積極利用(10/12/15)
第94位
◆日米航空関係が完全自由化、アジア圏にも拡大へ−馬淵大臣、「歴史的な日」(10/10/26)
第95位
◆スイス氷河特急で事故、1人死亡−旅行需要への影響は軽微か(10/07/27)
第96位
◆国際航空運賃規制を見直しへ、上限認可制に移行−柔軟な運賃設定が可能に(10/09/21)
第97位
◆楽天、国内はKNTに迫る規模、全体では6位に−主要63社に追加、海外は途上(10/06/16)
第98位
◆再仕分け、国内観光3事業廃止、訪日も減額・見送り−効果検証不十分と指摘(10/11/16)
第99位
◆トップインタビュー:アマデウス・アジア太平洋地区社長 ブレット氏(10/03/24)
第100位
◆羽田特集:大交流時代へ−成長戦略から見る首都圏空港の将来像(10/10/05)
この盛り上がりがどれほど旅行会社のビジネスに繋がるかは未知数ですし、深夜早朝枠の便はやや苦戦しているとの話も伝え聞きます。しかし、逆にいえば来年以降に就航予定の欧米線を含めて、羽田空港から行く海外旅行をどのように魅力づけするかが旅行会社の腕の見せどころでしょう。例えば、今年開港した茨城空港のツアーで都内からバスを設定して需要獲得につながった旅行会社もあるといいますし、デメリットをカバーする方法を考え出したいところです。
また、今年はエアバスA380型機関連のニュースが100位以内に4件入りました。ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)とエールフランス航空(AF)が相次いで成田線にA380型機を投入し、話題となったことは記憶に新しいところです。さらに、スカイマーク(BC)が同型機で欧米線に進出しようとする計画を発表したことは、大きな驚きを持って迎えられました。
BCは、運航中の機材のコックピットで記念撮影をして国土交通省から処分を受けたことや2008年の運休騒動など、企業体質への懸念もあるものの、個人的には大いに期待しています。日本人は乗り物好きといわれますし、A380型機の運航が実現すれば間違いなく需要拡大に繋がるはずです。ぜひ導入時期の2014年までに懸念を払拭して、日本の空に新しい風を吹かせてほしいと思います。
新機材という意味では、来年はようやくボーイングB787型機の納入が始まる予定です。ドリームライナーと呼ばれる同型機は、機体のサイズと航続距離のバランスから路線開設の幅を広げるとされておりますので、こちらも新たな動きが期待されます。
一方、今年はスイスでの氷河特急の脱線と横転、米国やエジプトでのバス事故など、「事故」が目立った1年でもありました。旅行会社がどこまで安全を確保できるのか、あるいはすべきなのかは難しい問題ですが、安全に気を配らない旅行会社は間違いなく業界を去ることになるでしょう。旅行の安全には、旅行会社だけでなくオペレーターやサプライヤー、添乗員など多くの組織や人が関わりますから、一部にその責任を集中するようなことのないよう、旅行業界としての取り組みがなされるよう期待したいところです。
このほか、JTBビジネストラベルソリューションズ(JTB−CWT)による内外航空サービスの子会社化のニュースも注目を集めました。今年はグッドラックツアーや牧野航空旅行の倒産などもありましたが、来年も基本的な経営環境は変わらないでしょうから、再編の話題は続く可能性が高そうです。また、現在進められている店舗の再編などビジネスモデルの改革も、さらに進むでしょう。
外国の方に取材をしている際、将来の見通しを聞くと「水晶玉を持っていないからわからないね」と冗談めかした答えが返ってくることがありますが、確かに2011年が旅行業界にとってどのような1年になるのかは誰にもわかりません。ただ、個人にとって、であれば、どのような1年に“なる”のかではなく“する”のか、と考えることもできます。
昨年も同じようなことを書きましたし、普段から似たような青臭い論調ばかりであることは自覚しています。それでも、せっかく楽しい旅行に携わっているわけですから楽しく取り組みたいですし、皆様にも明るさをお届けしたいと思います。環境を悲観していてばかりでは自らの未来も暗いものになってしまいます。逆に、一人ひとりが前向きに自らを高める努力をしていれば、きっと全体にも良い影響が出るはずです。2011年が皆様と旅行業界にとって良い1年になるよう心からお祈りしています。
今年も1年間、ご愛読いただきましてありがとうございました。情報の量、質、スピードなど、あらゆる面でまだまだ改善の余地がありますが、来年も一つずつ確実に取り組んでいく所存です。引き続きご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。(松本裕一)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年1月1日2時〜12月24日18時)
第1位
◆羽田空港、国際化へ一歩、冬スケジュール始まる−各社が記念行事開催(10/11/01)
第2位
◆ニュージーランド航空、エコノミーにも「水平シート」−機内設備を刷新へ(10/01/27)
第3位
◆米ESTAが9月に有料化、取得料は14米ドルに−支払いはクレジットカード(10/08/10)
第4位
◆ビバマカオが運航停止、日本人100名以上足止めか−マカオ政府は手厚い対応(10/03/30)
第5位
◆W杯手配のツール・アフリカ、連絡不通に−人数不明、JATAなど注意喚起(10/04/30)
第6位
◆日本航空、国際線11地点から撤退へ、座席供給量4割減に−羽田線就航も(10/04/28)
第7位
◆春秋航空が茨城に就航、初便搭乗率80%も「不満」−片道4000円に意欲(10/07/29)
第8位
◆グッドラックツアーが業務停止、予約記録の振替対応など営業は継続(10/05/13)
第9位
◆JATA世界旅行博が開幕、139の国と地域が参加、来場者11万人見込む(10/09/24)
第10位
◆羽田/米国線が仮決定、ハワイアン航空就航へ−DL2便、AA1便、UA・COはなし(10/05/10)
第11位
◆UAとCOが対等合併で合意、新社名「ユナイテッド航空」−既存路線網は維持へ(10/05/07)
第12位
◆TAM航空、東京事務所を開設−スターアライアンス加盟で販売拡大ねらう(10/04/28)
第13位
◆日本旅行、中国発の訪日医療観光が好調、目標上方修正も(10/04/28)
第14位
◆フォトニュース:欧州高速鉄道の旅、サービス充実でビジネス客取り込みへ(10/09/03)
第15位
◆欧州各国、寒波で交通網混乱、見通しも不透明−旅行会社は落ち着いて対応(10/12/21)
第16位
◆就職人気、文系はJTBが1位、3年連続−100位以内にHIS、KNT、日旅(10/03/11)
第17位
◆羽田国際線、「方面まんべんなく」−中国は最大1日20便(10/02/23)
第18位
◆全日空、2期連続の最終赤字、10年度は国際線強化で黒字化へ(10/04/30)
第19位
◆HIS、新ブランド「QUALITA」で上質な旅を提案−3年で売上100億円めざす(10/05/18)
第20位
◆バンコク滞在ツアーの各社催行状況、事態収束せず対応継続が多数(10/05/07)
第21位
◆米系5社が羽田/米国線を申請、1日4便の枠に1日11便−ハワイアン航空も(10/02/18)
第22位
◆フォトニュース:クリスマスの色に染まるウィーン、クリスマス市を訪ねて(10/12/11)
第23位
◆トップインタビュー:キャセイパシフィック航空日本支社長サイモン・ラージ氏(10/04/28)
第24位
◆阪急交通社、旅行取扱額で3位浮上−阪神航空と統合で2位も視野(10/05/10)
第25位
◆MICEケーススタディ:インセンティブ「日本アルコン株式会社」(10/04/28)
第26位
◆日本航空、更生計画案を提出−1.6万人削減も旅行子会社は「戦略的に必要」(10/09/01)
第27位
◆第1種アクセスインターが営業停止−全日空代理店、09年度負債は7.4億円(10/12/01)
第28位
◆フォトニュース:セントレジスホテル大阪がオープン、伝統と現代性を両立(10/10/08)
第29位
◆HIS、トラベルワンダーランド新宿本社をリニューアル、最新システムを導入(10/05/07)
第30位
◆現地レポート:米国フロリダ州、テーマパークだけではないオーランド(10/06/04)
第31位
◆JTB首都圏、大型店4店舗をトラベルゲートに−合計6店舗で初年度300億円へ(10/05/07)
第32位
◆JATA、チャーター促進で「コーディネーター」設置を検討−4月開始めざす(10/03/18)
第33位
◆茨城空港に初の国内線、スカイマークが神戸線就航へ−1日1往復、4月から(10/02/08)
第34位
◆マレーシア航空、羽田/コタキナバル線に就航、初便搭乗率は80%前後(10/11/22)
第35位
◆アミューズトラベルが業務停止処分、登山事故で−観光庁、契約済みは対象外(10/12/16)
第36位
◆全日空、国内線普通席の無料飲み物を原則廃止−有料サービス大幅拡充(10/02/01)
第37位
◆年頭所感、「厳しい」09年から「飛躍」する10年へ−大手各社トップ(10/01/06)
第38位
◆欧州便、現地18日は欠航2万便規模の見込み−空域封鎖24ヶ国に拡大<続報>(10/04/19)
第39位
◆米ユタ州でバス事故、日本人3名死亡−参加者は日旅8名、HIS4名、KNT2名(10/08/11)
第40位
◆阪急交通社社長に生井一郎氏が就任へ、組織も大幅改正で担当業務が明確化(10/03/02)
第41位
◆上海万博、誘致活動を本格展開−東京キックオフ式皮切りに(10/02/09)
第42位
◆全日空、国際線を成長の柱に−新事業戦略、国際線収入7割増へ(10/03/23)
第43位
◆香港航空、成田/香港線のデイリー運航を開始へ−東京支社も開設(10/08/18)
第44位
◆ANAグ、成田・羽田活用で国際線網を拡充−10年度輸送計画で座席キロ11%増(10/01/28)
第45位
◆全日空、羽田発の国際線を追加、羽田から9路線98便を運航へ(10/06/25)
第46位
◆ジャルパック大西社長、「まずまずのスタート」−質と新しさで目標達成へ(10/02/08)
第47位
◆ルックJTBが「決心」、16年ぶり大幅改革で脱価格競争−旅程保証も独自設定(10/01/14)
第48位
◆ブリティッシュ・エアウェイズも羽田就航へ−週5便、パリに続き2路線目(10/09/22)
第49位
◆羽田特集:24時間国際化空港としての課題−本格稼動後の発展に期待(10/10/12)
第50位
◆JTB田川社長とHIS平林社長、店舗展開、価格と価値など対論−トラベル懇話会(10/01/08)
第51位
◆スカイマーク、A380導入へ−国際線用、長距離大量輸送で低価格実現へ(10/11/09)
第52位
◆エア・アジアX、羽田就航を表明、片道5000円実現−2年で路線拡大めざす(10/09/22)
第53位
◆オークラ、JALホテルズを買収、ブランドやクーポンなど維持−相互協力へ(10/08/09)
第54位
◆夏ダイヤ、成田は対冬26便増、中東・マカオ就航で−関空・中部も増加(10/03/29)
第55位
◆燃油サーチャージ、据え置きは外航8社、改定期間2ヶ月への変更も(10/03/25)
第56位
◆日本航空、安全・安定運航維持、KBほか旅行子会社債権も保全−2年で黒字化へ(10/01/20)
第57位
◆カンタス航空、日豪間の座席供給量拡大へ−7月から成田/シドニー線にB747(10/02/26)
第58位
◆エアライン満足度1位はシンガポール航空、1部門以外トップ−日系はNHの4位(10/07/15)
第59位
◆留学手配のサクシーオが業務停止−負債総額は約8億円、渡航予定者400名以上(10/07/07)
第60位
◆牧野航空旅行が業務停止、破産手続開始へ−7月6日以降の企画旅行不可能に(10/07/05)
第61位
◆外務省、医療滞在ビザの運用を来年1月から開始−6ヶ月まで滞在可能に(10/12/20)
第62位
◆HIS、国内旅行に本腰、事業本部を設置−ハウステンボスと相乗効果ねらう(10/03/31)
第63位
◆ハワイ体験レポート:ハワイ初上陸のディズニーリゾート、視察ツアー(10/08/05)
第64位
◆ハワイアン航空、羽田線の機内サービス発表−「質」と「ハワイらしさ」重視(10/10/22)
第65位
◆2011年の海外旅行者数は4%増、羽田国際化が需要を喚起−JTB予想(10/12/20)
第66位
◆日系2社、羽田など路便計画変更−JLはJOと統一、NHは羽田/中国増便見送り(10/08/23)
第67位
◆旅行業倒産件数、上期は12件−グッドラックツアーやアールエイジェイなど(10/10/12)
第68位
◆JTB、エジプトでバス事故−10名けが、現地ガイド意識不明(10/06/28)
第69位
◆JTB、欧州事業の経営統合を推進、発・受けを事業ユニット化−人事異動も(10/01/19)
第70位
◆ハワイ州観光局、2010年は大幅成長に意欲、座席拡大と円高基調で市場回復へ(10/02/02)
第71位
◆新成長戦略、観光への注力掲げる−20年までに訪日2500万人、休暇分散化も(10/06/21)
第72位
◆顧客満足度調査、楽天とKNTが1位、国際線はシンガポール航空(10/11/04)
第73位
◆IHG、大阪にインターコンチネンタル開業へ−ホテルとレジデンス、13年目標(10/07/30)
第74位
◆APEC観光相会合、「奈良宣言」採択−観光で経済成長めざし域内協力強化へ(10/09/24)
第75位
◆コンチネンタル航空、B777全機にビジネスファースト新シート導入完了(10/12/08)
第76位
◆JTB−CWT、内外航空を子会社化へ−業務渡航シェア15%に、選択と集中を加速(10/11/29)
第77位
◆エールフランス航空もA380、成田/パリ線に9月から−世界3都市目(10/06/09)
第78位
◆第3種のアールエイジェイトラベルが営業を停止、ウェブで格安航空券を販売(10/08/24)
第79位
◆日系2社、羽田新路線の値付けに差−JLは2方面、NHは全路線で成田線より高額(10/07/09)
第80位
◆休暇分散アンケート、滑り出しは否定意見が集中−「効果なし」6割超(10/06/25)
第81位
◆ジャルパック、オペレーター事業縮小、人員削減も−北米・オセアニアで(10/10/07)
第82位
◆JTB、トラベランド店舗を地域各社に再編−首都圏法人営業、国内仕入関連も(10/10/05)
第83位
◆トップインタビュー:シンガポール航空日本支社長キャンベル・ウィルソン氏(10/08/10)
第84位
◆デルタ航空、羽田路線のスケジュール発表−乗継以遠の需要も見込む(10/07/20)
第85位
◆サニー航空、年末から日本へチャーター計画、双方向強みに定期便化も視野(10/11/30)
第86位
◆旅行各社、“羽田発海外”ツアー出そろう−地方発需要への対応も(10/08/19)
第87位
◆CO、UAとの合併でビジネス拡大に期待−太平洋路線の新型シート導入も完了(10/09/09)
第88位
◆トップインタビュー:日本旅行・アメリカンエキスプレス代表取締役社長 竹村章美氏(10/07/14)
第89位
◆全日空、LCC事業開始へ−運賃は大手の半額以下、11年度下期運航開始予定(10/09/10)
第90位
◆ルフトハンザ、A380運航開始−マイヤーフーバーCEO、日本は「永続的に重要」(10/06/14)
第91位
◆エミレーツ航空、A380を1兆円分オーダー−合計発注数は90機に(10/06/11)
第92位
◆エア・アジアX就航、デイリー運航に意欲−直販が9割、LCCモデル普及に自信(10/12/13)
第93位
◆JTB田川社長、11年は「仕掛ける」年−「決心」継続、チャーターも積極利用(10/12/15)
第94位
◆日米航空関係が完全自由化、アジア圏にも拡大へ−馬淵大臣、「歴史的な日」(10/10/26)
第95位
◆スイス氷河特急で事故、1人死亡−旅行需要への影響は軽微か(10/07/27)
第96位
◆国際航空運賃規制を見直しへ、上限認可制に移行−柔軟な運賃設定が可能に(10/09/21)
第97位
◆楽天、国内はKNTに迫る規模、全体では6位に−主要63社に追加、海外は途上(10/06/16)
第98位
◆再仕分け、国内観光3事業廃止、訪日も減額・見送り−効果検証不十分と指摘(10/11/16)
第99位
◆トップインタビュー:アマデウス・アジア太平洋地区社長 ブレット氏(10/03/24)
第100位
◆羽田特集:大交流時代へ−成長戦略から見る首都圏空港の将来像(10/10/05)