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JATA市場調査、海外旅行の見通し悪化−尖閣問題影響、上昇の方面も

  • 2010年12月17日
 日本旅行業協会(JATA)が11月上旬から中旬にかけて実施した旅行市場動向調査で、現況(2010年10月〜12月)の海外旅行のDI値(※)はマイナス16となった。前期(2010年7月〜9月)はマイナス6で、5期続いた上昇が止まった。3ヶ月後の見通しもマイナス19となり、下落傾向にある。

 ただし、現況の落ち込みは、尖閣問題で中国がマイナス48(前期:プラス15)に急落した影響が強く、中国以外ではミクロネシアがマイナス26(同:マイナス35)、オセアニアがマイナス41(同:マイナス47)、韓国がプラス14(同:プラス7)となるなど、上昇した方面もある。

 現況を業態別でみると、海外旅行ホールセラーが15ポイント増のプラスマイナス0となったほか、インハウスも4ポイント増のプラス2に上昇。顧客層別では、ハネムーンが7ポイント増のマイナス29と好調。ただし、ファミリーが18ポイント減のマイナス35、シニアが13ポイント減のマイナス8、学生が11ポイント減のマイナス59となるなど、全体的には悪化した。

 顧客層別の3ヶ月後の見通しでは、卒業旅行需要のある学生が現況から16ポイント増のマイナス43となる見込みであるほか、OLが5ポイント増のマイナス31の見通し。学生旅行は、「出足好調」との報告もあがっているという。また、方面別では、全体的には横ばいか悪化傾向にあるが、ハワイは1ポイント増のマイナス15、オセアニアは3ポイント増のマイナス39の予測だ。このほか、韓国は5ポイント減のプラス9、韓国を含めたアジアは1ポイント減のプラス1で、悪化はするもののプラスを維持する見込み。

 なお、国内旅行の現況は、「社員旅行や慰安旅行など団体旅行が復調傾向」といった声もあり前期から8ポイント増のマイナス19。3ヶ月後は8ポイント減のマイナス27の予想だが、顧客層別でファミリーが4ポイント増のマイナス39、OLが2ポイント増のマイナス36と上昇を予測している。

※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。JATA調査では、JATA会員会社の経営者などに対してインターネットでアンケートを実施し、業態、顧客層、方面別に業況判断をDI値を導出している。今回の設定数は617社で、うち217社から回答があった。