シードリーム、ヨット感覚の新たなクルーズ提案−多様な活用法アピール

  • 2010年12月15日
 小型船クルーズのシードリームは、日本市場向けに本格的に営業を展開する。同社アジア地区担当営業のリチャード・ジョーンズ氏がこのほど来日。12月14日に開催した記者会見では、「アジア地区への営業は始めたばかりだが、今後1、2年で日本を含めアジアのシェアを全体の10%まで伸ばしたい」と意気込みを述べた。10月にシードリームと日本地区総代理店(GSA)契約を締結したクルーズバケーション代表取締役の木島榮子氏は、「ヨットタイプの船はまだ浸透していないが、小グループの利用やインセンティブのチャーターもできる」と多様な商品への活用をアピール。「日本では新しいコンセプトだが、時間をかけて開拓していきたい」と今後の販売拡大に向けて意欲を示した。

 シードリームは2隻の大型ヨットを保有し、5月から10月は地中海や北欧、ヨーロッパに配船、11月から4月にかけてはカリブ海に配船している。大型客船では寄港できない入江や寄港地を訪問し、自分のヨットのようにプライベートな空間で、多様なアクティビティをオールインクルーシブで楽しめるカジュアルクルーズが特長だ。また、定員112人に対して乗務員が95人乗船することから、ほぼ1対1でケアできる細やかなサービスもアピールする。乗客の平均年齢は48歳で1週間程度のクルーズに参加する人が多いことから、日本向けには長期ではないがお金をかけて旅行できる若いエグゼクティブの層など、新たなマーケット開拓に期待する。

 このほか、ハネムーンや同窓会、家族旅行など個人の好みにあわせた利用や、団体であれば企業のインセンティブ旅行にも対応できる。例えば企業などで、カリブ海で1週間チャーターした場合は50万米ドル程度で、9ヶ月から1年前から予約を受け付けている。ジョーンズ氏は、小型船だからこそグループごとにカスタマイズしやすいと紹介し、「日本からは2011年に1件か2件のチャーターを受け付け、その後徐々に増やしていきたい」と言及。

 なお、現在の乗客のシェアはアメリカが50%、オーストラリアが11%、次いで伸び始めているのがブラジル、その次にヨーロッパ、アジアと続く。今後、アジアからの需要が高まりシェアが伸びれば、日本への配船も視野に入れたい考えだ。