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韓国、クルーズ観光推進へ初のセミナーを開催−客船寄港と商品造成促す

  • 2010年11月29日
 韓国観光公社(KTO)は11月24日、「2010韓国クルーズセミナー」を開催した。KTOが韓国クルーズに関するセミナーを開催するのは初めて。KTO東京支社長の金榮湖氏は、「2011年はクルーズをテーマにした観光交流推進を強化したい」と述べ、今後韓国クルーズの市場拡大に努めていく方針を示した。2009年の韓国への日本人訪問者数は307万人程度で、このうちクルーズで訪れる人は1万人弱と全体の1%にも満たない。これについて金氏は、「日本と韓国の観光交流拡大への可能性を秘めているということ」と話し、「今回のセミナーを通じ、港湾のインフラについて知ってもらい、どうすれば魅力的な商品となるかを考えてもらいたい」と訴え、今後のクルーズ市場の成長に期待を示した。

 セミナーでは、KTO課長の洪成基氏が韓国クルーズのポイントについて説明。韓国には11の港があり、中でも仁川や釜山、麗水(ヨス)、済州などが有名だ。例えば、済州は5万トンまで収容可能な港があり、ユネスコの世界自然遺産として有名なハルラ山国立公園や、城山日出峰などを約4時間で訪れるおすすめコースを紹介した。また、2011年11月にはハルラ山国立公園でトレッキング大会が開催されるなど、イベントにあわせた商品造成も促した。

 洪氏によると、韓国クルーズは、発着地にもよるが1週間から10日間程度の商品が主流。現在の韓国への旅行商品の中心は、飛行機を利用した短期間で安価な商品のため、クルーズ商品ならではの楽しみ方を打ち出す必要がある。洪氏は、例えば、船内で韓流にまつわる情報提供や企画、韓国語教室など、韓国旅行をより楽しむための要素を取り入れることもできるという。KTOでは、船会社や旅行会社などと連携して韓国クルーズ市場開拓に取り組む姿勢で、港や観光スポットの情報や素材を提供していく。

 また、韓国籍船がないため、日本籍船を利用する必要がある。ただし、外国客船による日本、韓国、上海の周遊クルーズなどの商品も設定されており、KTOでは、こうした外国客船を活用した商品造成の増加に期待を示す。このほか、寄港地での祭りやイベントに参加する体験型クルーズを打ち出していく考えだ。