シンガポール政府観光局（STB）は10月1日、シンガポール航空（SQ）と合同でプレス発表会を開催し、新デスティネーション・ブランド「Your　Singapore」を紹介した。これまでは、「Uniquely　Singapore」として展開してきたが、今回5年ぶりの刷新となった。冒頭、来日したSTB局長のアウ・カーペン氏が挨拶し、「2010年は変化の年。リゾート・ワールド・セントーサ、マリーナ・ベイ・サンズという2つの総合リゾートがオープンし、シンガポールはさらに進化している」と話し、「『Your Singapore』は、『あなただけのシンガポール』を見つけてというメッセージ」とアピールした。また、1970年設立のSTB日本支局が40周年を迎えたことからも2010年を特別な年と述べた。

　新ブランドでは、「多種多様」、「コンパクト」、「快適なアクセス」といったシンガポールの特徴を反映し、「手の届くところで豊かさを簡単に体験できること」を差別化のポイントとする。新しいロゴはシンガポールの島をかたどり、新鮮さや多様性、絶えず変化するダイナミックさを表現。F1、ガーデンなどテーマごとに各種のデザインを用意した。

　リゾート・ワールド・セントーサには今後、新たに2軒のホテルが開業する。マリーナ・ベイ・サンズには、世界初となるアートサイエンス・ミュージアムや、2軒のシアターがオープンする予定だ。STBマネージャーの吉田明子氏は「変換期にあたり、人材とソフトの充実が課題」と述べる。また、「2020年頃には商品やサービスの個人化が主流になる。インターネットなどデジタルメディアの影響も強い」と見て、「パーソナライズ」をキーワードとした新ウェブサイトを開設。ユーザーが日程表を自分でカスタマイズできるほか、ホテルやツアーの予約も可能とした。

　なお、カーペン氏によると、日本人訪問客数は今年1月から8月までで前年度比10％増の伸び。全世界からの訪問客数は20％から25％増で、2010年は1150万人から1250万人、売上ベースで175億ドルから185億ドルになると予想している。