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南アフリカ、W杯開催が新たな需要の開拓へ−若年層やFITの取り込みにも注力

  • 2010年8月3日
 南アフリカ観光局はこのほど、南アフリカワークショップ2010を開催した。ワークショップ前半に実施したデスティネーションセミナーでは、観光局がFIFAワールドカップ開催による成果や今後の活動方針について説明。南アフリカ観光局の統計によると2010年1月から3月までの訪問者数は全体で前年同期比20.9%増となり190万人を超え、日本人訪問者数も16.2%増の4236人と成長した。南アフリカ観光局リージョナル・マネージャーアジアパシフィックのブラッドリー・ブラウワー氏は、W杯期間中にあたる6月1日から24日の渡航者数が5.4%増の74万4520人、6月1日から7月1日で計算すると約140万人となると説明し、「W杯が大成功に終わった今こそ南アフリカを売る好機になるのでは」とアピールした。

 また、実際のW杯観戦ツアーの例を通じ、南アフリカのツアー造成のポイントを紹介。セミナーに登壇した西鉄旅行営業企画本部東京営業部スポーツプロモーション支店支店長の松本健一郎氏によると、南アフリカへのツアーは通常リタイア層の参加が多いが、同社が送客した420名のサッカー観戦ツアー参加者は、30代から40代が多かったことから、新たな若年層など新規需要を開拓するきっかけにもなったという。通常、10日間を超える日程のツアーが多いなか、5泊8日を基本とした日本戦観戦ツアーでは、3日間の自由時間を設け、プレトリアのライオンパークのオプショナルツアーや、徒歩1分以内にレストランがあるホテルの用意など、参加者が安全にサッカー以外も楽しめるよう工夫。サッカー以外の観光資源を体験したことで、参加者からは「もう一度行きたい」という声も多数あがったといい、「南アフリカに行く前と後では参加者の印象に変化が見られた」と話した。

 南アフリカ観光局日本地区トレードリージョン担当マネージャーの近藤由佳氏は若年層やFITにも注力していく考えで、「バラエティのあるツアー造成を」と訴えた。今後、同観光局では教育セミナーやウェブサイトを通じたプロモーション活動を展開する。また、一般消費者へはフォトコンテストなどのキャンペーンやメディアを活用しワールドカップ開催で得た認知度の維持、向上をはかる。