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ベルリン、日本人渡航者数が2ケタ増−交流150周年に期待、長期滞在も提案

  • 2010年6月7日
 ベルリンからベルリン市経済技術女性問題担当市長のハラルド・ヴォルフ氏、観光局局長のブルクハルト・キーカ―氏らが来日し、先ごろ観光セミナーとプレス懇談会を開催。経済危機でヨーロッパ主要都市の観光需要が落ち込む中、ベルリンの好調さをアピールした。

 ベルリン観光局によると、2009年は訪問者数が前年比4.5%増の830万人、延べ宿泊数も6.2%増の約1900万泊と増加した。日本市場は2010年の第1四半期(1月〜3月)で訪問者数が8%増の8100人、延べ宿泊数も4.1%増の約1万9000泊と好調。3月単月では訪問者数17%増、宿泊数10.7%増と2桁の成長となった。キッカー氏は「日本マーケットはようやく回復の兆しが見えてきており、嬉しく思う」と喜びをのべ、プラス成長の要因として、2009年がベルリンの壁崩壊20周年で世界中から注目された点をあげた。同氏は2010年が日独交流150周年であることに触れ、「特別な行事も実施されるので、数字を押し上げる要因になるのでは」と期待を見せた。

 ドイツ観光局は日独交流150周年にともない、オフィシャルロゴを設定しており、アジア・オーストラリア地区統括局長のペーター・ブルーメンシュテンゲル氏も「新造成したツアーにロゴを使い、ドイツ全体を盛り上げていってほしい」とアピールした。今後は両国の大使館が主体となりそれぞれの国でイベントを実施するほか、共同で記念切手も発行する予定だという。




▽ベルリンの多彩な魅力を紹介、長期滞在や他都市との組み合わせも

 ヴォルフ氏はベルリンを「クリエイティブなものに関心のある若者が集まる都市」とし、「街そのものがトレンド」と、歴史やヨーロッパならではの古い文化だけでない、ナイトライフや現代的な建築、デザインなどモダンな側面を紹介した。ブルーメンシュテンゲル氏も「ベルリンは多彩な魅力があり、1泊滞在の都市ではない」と主張する。日本のツアー商品の多くがベルリンに1泊しかしない現状を踏まえ、「ベルリンを理解するためには3日間は滞在してほしい」と滞在の長期化を強く訴えた。

 また、キッカー氏は「多くのローコストキャリア(LCC)が参入してきており、他都市に30から50ユーロの安価な値段で移動できる」と、ヨーロッパ観光の拠点としてのベルリンを提案した。ベルリンは先ごろプラハやブダペストと観光分野で提携しており、新しいモダンな体験ができる都市としてのベルリンと、プラハやブダペストといった歴史あるロマンティックな古都を対比したプロモーションを共同で実施する予定だという。同氏によるとすでにサンパウロでプラハと共同のプロモーションを実施しており、日本での実施も2011年末までに検討していく予定だ。