オーストラリア、日本市場が5年ぶりプラス転化−旅行見本市「ATE」開催

  • 2010年5月31日
(アデレード発:特派 安井久美) オーストラリア政府観光局(TA)は5月28日から6月4日まで、アデレードで旅行見本市「オーストラリア・ツーリズム・エクスチェンジ(ATE)」を開催している。日本からは30名の旅行会社関係者が参加し、オーストラリアのホテルやツアーオペレーターと活発な商談を繰り広げている。

 今年のATEのテーマは「自然」。各ブースではオーストラリアの豊かな自然を色で表現。環境技術を駆使したエコ・リゾート「サザン・オーシャン・ロッジ」など、エコ・ツーリズムを意識したブースが多数見受けられる。また、会期中の6月1日にはオーストラリア人自身がお気に入りの観光地情報をウェブ上に投稿するという「There's Nothing Like Australia」キャンペーン第2弾の立ち上げが予定される。

 今回のATEについて、TA局長のアンドリュー・マッカボイ氏は「ATEは2010年の旅行業界の一層の回復を促すだろう」と期待を寄せている。日本市場では、去年は新型インフルエンザの影響等により厳しい1年となり、教育旅行のキャンセルなどにより日本人訪問者数は前年比22%減の35万5400人と激減。しかし、今年に入ってからは1月から3月までで3%増の10万9000人と、2005年第1四半期以来のプラスに転じている。

 会場を訪れたオーストラリア政府観光大臣のマーティン・ファーガソン氏は「今年のATEは観光産業の回復をアピールする重要な機会。去年は業界全体が不振にあえぐなか、オーストラリアは市場でプレゼンスを発揮し続けた。それが奏功し、今年の第1四半期では中国が7%増、韓国の15%など訪問者数の伸びが見られるようになった」と述べるとともに、日本市場のプラス成長についても言及、回復の手ごたえを感じているようだ。

 なお、今年10月の日本航空(JL)のブリスベン撤退というマイナス要因もある一方、カンタス航空(QF)が成田/シドニー線で機材大型化を予定しており、各州政府観光局の担当者も機材大型化による今後の日本市場回復に期待感を高めている。