外務省は5月26日付けで、バンコクに発出していた渡航情報を「渡航の是非を検討してください」に引き下げた。これはタイ政府が特別チームを立ち上げ、早急な事態の回復と国民生活の安定をはかる施策の実施を決定したことで治安状況が改善したため。

　今回の引き下げをうけ、エイチ・アイ・エス（HIS）は5月26日出発分から募集型企画旅行の催行を再開し、申し込みの受け付けも開始。近畿日本ツーリスト（KNT）も6月9日出発分以降の催行再開を決定した。HISによると、バンコクを含むツアーは間際で予約が入るケースが多いことから、今後状況が安定すれば順次予約が入り始めると見込んでいる。

　一方、阪急交通社と日本旅行、ジャルパック、ANAセールスは5月26日現在、催行再開の判断は下していない。ジェイティービー（JTB）もバンコクの滞在を含むツアーは中止を継続。ただし、バンコク乗り継ぎの場合で、渡航情報が「十分注意してください」以下の国・地域が目的地のツアーについては通常通り催行しているという。

　なお、外務省によると5月25日時点で、公共交通機関や日中の住民の生活などはデモ以前の状況に戻りつつあるという。しかし、バンコクを含む24都県に対しての「夜間外出禁止令」は実施期間が午前0時から午前4時までと短縮したものの、発令されたまま。混乱が長期化したことによるイメージの低下もあり、中長期的な旅行需要への影響が懸念される。


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