DS模擬問題:トルコ編 “綿の城”パムッカレ上方に広がる古代遺跡

  • 2010年5月10日
問 1988年、パムッカレとともに世界遺産に登録された「ヒエラポリス」は、ある王国の都として栄えた古代遺跡である。その王国の名前を答えよ

A ヒッタイト王国
B セルジュク王国
C ペルガモン王国
D ウラルトゥ王国
                     
                     
                     
――正解は下記へ
                     
                     
                        
ココに注目!
 
 
▽これぞ大自然の驚異!“綿の城”パムッカレ
 
 トルコ観光の目玉のひとつは、ほかでは見ることのできない大自然の景観にある。なかでも有名なのが、デニズリから19キロメートルの場所に位置するパムッカレだ。丘陵地の斜面に連なる真っ白なプール は、地面から湧き出た35度の温泉水が100メートルの高さから山肌を流れ落ちて作り出したもの。石灰成分を含む温泉水が、数千年もの間に真っ白な鍾乳石を形成し、幻想的な石灰棚の景観を生み出したのである。ちなみに、パムッカレとは、トルコ語で「綿の城」の意味。白く輝くその光景は、まさに綿でできた城のごとくである。
 
 
▽石柱の沈む歴史ある温泉プール

 かつては石灰棚の上を歩くこともできたが、1988年にユネスコの世界遺産に登録されると、世界中から旅行者が訪れるようになり、ホテルも増加。これによって、石灰棚に流れる湯量が減ってしまったため、周辺のホテルやレストランは撤去された。石灰棚への入場も制限され、現在見学できるのは、石灰棚の上方に設けられた遊歩道のみで、ここは裸足で歩く決まりとなっている。

 こうした景観保護の結果、温泉も回復しつつある。ここで湧く温泉は、心臓病、循環器疾患、消化器疾患、高血圧、神経疾患、リウマチ、目や皮膚の病気、疲労、栄養障害などに効用があるとされるが、現在、温泉が体験できるのは、唯一石灰棚の上方に広がる古代遺跡「ヒエラポリス」内の「パムッカレ・モーテル」のプールだけだ。大理石の柱が沈むユニークかつ歴史のある温泉プールで、ホテル自体は廃業しているがプールのみ営業しており、水着で入ることができる。
 
 
▽神託の町でもあったヒエラポリス

 一帯の見どころは自然の景観だけではない。それが、1988年にパムッカレとともに世界遺産に登録された「ヒエラポリス」である。紀元前190年、ペルガモン王国の王であったユーメネスII世によって造られたこの町は、ヘレニズム時代からローマ時代、ビザンティン時代にかけ、長らく温泉保養地として、また信仰の中心として繁栄した。ローマ時代には度重なる地震で大きな被害を受けるが、ローマ皇帝の保護によって復興を果たしたといわれる。城壁の内側を中心に、劇場、神殿、門、浴場、住居跡などの遺跡が広範囲に点在するため、じっくり回れば半日はかかる。

 八角形の聖フィリップのマルティリウム(殉教記念堂)から見学を始めたら、次は2世紀にハドリアヌス帝が建てたといわれる丘の上の大劇場へ。2万5000人収容可能とされる劇場は、圧巻の規模。ステージ上では、保存状態の良い大理石のレリーフも見ることができる。そこから向かうのはアポロ神殿だ。ヒエラポリスは「神託の町」としても知られ、神殿では神官による神託も行われていた。プルトニウムと呼ばれる神殿近くの洞窟では、有毒ガス(二酸化炭素)が噴出していたが、聖職者たちはそのガスを吸って神託を下したとされる。ちなみに、いくつかあるといわれるパムッカレの源泉のひとつが、この洞窟にある。

 神殿からバシリカに向かい、列柱の並ぶ通りを抜けてビザンティン時代の門とドミティアヌス帝の門(北門)をくぐると、その先に、共同墓地跡「ネクロポリス」がある。2キロメートルにもおよぶこの墓地は、アナトリア全土で最も保存状態の良い墓地のひとつで、ヘレニズム時代からビザンティン時代まで多種多様な墓が見られる。このほか、浴場跡を修復した考古学博物館も見どころのひとつだ。
 
 



正解:C