羽田国際線を9万回に−国交省成長戦略会議、重点項目をとりまとめ

  • 2010年4月14日
 国土交通省の成長戦略会議は4月13日、観光と航空を含む5分野について重点項目をとりまとめた。観光については訪日外国人3000万人の達成に向けたプロモーションの強化や人材育成、ニューツーリズムの活性化、休暇取得の分散化、航空については、オープンスカイの推進や首都圏空港の拡張などを盛り込んだ。特に首都圏空港の拡張では、2013年に見込まれる羽田空港の容量拡大を機会に、国際線の発着枠を9万回に拡大することを盛り込んだ。成長戦略会議では、5月末までに最終案をまとめ、国土交通大臣の前原誠司氏に提出する予定だ。

 観光分野では、日本政府観光局(JNTO)の体制強化をはかるとともに、市場ごとに数値目標を立て、ノルマや報奨金など成果主義の導入を提案。また、ブログやツイッターなど新しいメディアの活用や、海外出先機関の連携強化、観光・文化関連の窓口業務の一本化など訪日外国人旅行者の目線に立ったワンストップサービスの提供、国内の受け入れ態勢の強化なども必要とした。また、将来的には、日本を総合的に売り込む「セールスプロモーション領事」を主要国の在外公館に配置するなど国を挙げた広報活動の強化を求める。このほか、地域観光を育てる人材の育成や、他分野との連携や地域の創意工夫によるニューツーリズムの推進、休暇分散化などを盛り込んだ。

 航空分野では、「徹底的な」オープンスカイの推進や羽田と成田の強化、格安航空会社(LCC)の参入促進などを列挙。オープンスカイでは、成田の国際線ネットワークがおおむね完成したことに加え、数年内の30万回への増枠が視野に入ったことを理由として指摘。また、首都圏の2空港関連では、抜本的な容量拡大策を講じるべきとし、2空港合計の発着枠を約75万回に拡大する案を提示。羽田は24時間国際拠点空港化を進めるとともに、国際線旅客ターミナルの拡充に着手し、国際線の発着枠を9万回規模に拡大するべきとした。

 注目を集める関西3空港のあり方については、これまでにない方法もありえると指摘。特に関空については、関西地域での拠点空港として再生するため、伊丹空港も活用しつつ、財務状況の改善を講じるとした。また、LCCなど新規参入の促進なども促進する方針。さらに、専用ターミナルの整備や規制緩和などによりLCCも積極的に誘致するべきとした。