ケニア、「日本は非常に有望な市場」−まずは旅行業界内での認知度向上を

  • 2010年3月15日
 ケニア政府観光局リージョナル・マーケティング・マネージャーのジョン・チルチル氏は、先ごろ開催した業界向けセミナーで「日本を非常に有望な市場ととらえている」と期待を示した。ケニアへの日本人旅行者数は全市場の約1%。2008年は前年比30.5%減の7411人となったが、2009年は日本人が最も訪問した2006年の1万4655人には及ばないまでも、30.6%の1万150人に増加。チルチル氏は将来の目標を3万6000人に設定するとともに、「高い目標だと思っているが、日本事務所やケニア政府とともに達成していきたい」との考えだ。

 同局PR&渉外担当マネージャーのハリッド・マスド・サリム氏によると、2010年はアフリカでワールドカップが開催されることもあり、ワールドカップを訪問した客の取り込みもねらう方針。ナイロビはワールドカップ会場から4時間の距離でもあり、ケニアを経由してのストップオーバーを推奨していく考えだ。さらに、3月からエミレーツ航空(EK)が成田/ドバイ線が就航、4月からカタール航空(QR)が成田/ナイロビ線をデイリー運航することで、ケニアへのアクセスも向上する。加えて現在ケニアと日本の2国間では直行便就航について交渉が進んでいるといい、チルチル氏は「直行便があれば利便性が高まり、渡航者が増えるだろう」と期待感をみせた。


▽ケニアの認知度向上、まずは旅行業界をターゲット

 チルチル氏は、日本人のケニアの認知度はあまり高くないのが現状と分析。その上で、日本人の傾向として「他地域からの観光客と違い、細かな情報を必要とする傾向がある」とし、なかでも旅行会社の情報をもとに旅行先を選ぶ傾向が強いことから、旅行業界への情報訴求の必要性を強調した。サリム氏も「まずは旅行業界内でのケニアの知名度、知識を高めていきたい。2段階目で消費者」とし、旅行業界への情報訴求に力を注ぐ方針を述べた。今後は旅行業界向けのファムツアーを企画しており、2社のオペレーターや航空会社と協力して実施していく計画だ。さらにDVDや地図を配って認知度を高めていくとともに、ウェブサイト「マジカルケニア」でも引き続き情報を提供していく。