ペルー・レイル運行再開まで7週間めど−旅行大手1ヶ月以上の催行中止も

  • 2010年2月1日
 ペルーなど南米を中心にオペレーター業務をおこなうラティーノによると、クスコからマチュピチュまでの線路修復完了は約2ヶ月後になることがわかった。ペルー南部で1月22日頃に発生した集中豪雨の影響でマチュピチュへ向かう鉄道の線路が水没、鉄道機関では運行を見合わせている。ラティーノは日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)上で情報を発信、現地政府鉄道調査団による現状説明や復旧計画について伝えている。

 クスコ/マチュピチュ間の線路の主な破損箇所は8ヶ所。マチュピチュ/ピスカクチョ間とピスカクチョ/オリャンタイタンボ間の2区間で修復作業を開始している。マチュピチュ/ピスカクチョ間は約7週間、ピスカクチョ/オリャンタイタンボ間は約8週間をめどに修復が完了する予定だ。ペルー旅行を手配する旅行会社スタッフによると、ピスカクチョ/オリャンタイタンボ間を含め、クスコ/ピスカクチョ間は車やバスで1時間30分程度での移動が可能だが、マチュピチュ/ピスカクチョ間の鉄道運行が再開しないとマチュピチュ観光はできないという。こうした状況をふまえ、旅行会社各社でも2月以降に出発するツアーについての対応を決めている。なかには、2月末や3月始めまで1ヶ月以上ツアーの催行中止をすでに決定した旅行会社もあり、マチュピチュまでの交通手段であるペルー・レイルの運行再開がツアー催行の鍵となりそうだ。

 なお、外務省によると今回現地で足止めされた日本人は全部で77名で、現地時刻1月29日にはヘリでクスコに搬送されている。ケガやトラブルなどの発生はない。


▽JTBは3月10日出発分まで催行中止に、阪急は南米ツアー予約者500名に影響

 ジェイティービー(JTB)ではツアーに参加していた17名が足止めされたが、すでに全員ヘリで移動している。今後の対応としては、3月10日出発分までのツアーの催行を中止し、中止したツアーのキャンセル料は収受しない。線路修復に7、8週間を要するため2月中の運行再開は難しいと判断した。エイチ・アイ・エス(HIS)では、8名が足止めされたがすでに1月29日時点ではクスコのホテルに滞在していた。JTBと同様に2月28日まで約1ヶ月間の催行中止を決めた。3月1日以降出発分については現地情報を収集しながら対応する。

 近畿日本ツーリスト(KNT)はペルーのツアーで滞在中の参加者がいたが、マチュピチュには滞在しておらず行程を変更して対応。29日現在で2月5日出発分までは催行中止とし、6日以降の出発分については2月4日までに決める。クラブツーリズムでは、添乗員を含め7名がマチュピチュに滞在中だったもののすでにヘリで移動し、帰国の途についている。2月5日出発分までは催行中止とし、6日以降については2月1日に決定する。ジャルパックでは、29日現在では2月8日出発分までのマチュピチュを巡るツアーの催行を中止。2月15日以降の出発分に関しては2月5日までに催行可否を判断するとしていた。

 阪急交通社のツアーには、足止めされた日本人の約3割にあたる25名が参加。全員すでに帰国の途についている。2月にペルーを訪れる商品については1月29日に全て中止を決定。ブラジル方面などペルーを訪れないツアーを含め、南米全体で30本のコースに対し500名の予約が入っていた。催行中止となるツアーの予約者には全額返金する。