年頭所感、「厳しい」09年から「飛躍」する10年へ−大手各社トップ
ジェイティービー(JTB)、エイチ・アイ・エス(HIS)、日本旅行業協会(JATA)など、旅行関連各社や業界団体のトップが、年頭所感を発表した。今年は昨年の逆風に対して、大きな躍進を期待する表明が多い。多くの経営者が冬季オリンピックや平城遷都1300年など内外の大型イベント開催に加え、アジア経済の成長と交流人口拡大の予測や首都圏空港の容量拡大、日米のオープンスカイ合意などをあげ、新時代の幕開けを予測。その上で、チャンスを確実にものにするため、刻々と変わるマーケットに対して「迅速」「順応」「柔軟」「改革」のキーワードを用い、今年の大きな変革に臨んでいこうとする決意を表している。
新たなビジネスモデルを構築、グループの社会的有用性高める
JTB代表取締役社長 田川博己氏
アジア躍進の一年になると考えている。JTBグループも、世界市民レベルの交流促進をアジアの中の日本から発信していきたい。世界観光機構(WTO)によると、世界の交流人口は2010年は10億人に達すると予測されている。世界から日本への人流も、伸張が大いに期待される。「おもてなし」の精神を持って政策と連動し、観光立国の推進の一助となるよう、その役割を担っていきたい。世界規模で交流を創造する「交流文化産業への進化」を標榜し、新たなビジネスモデルを構築しながら、JTBグループの社会的有用性を高めていきたい。グループの人財力を活かし、革新を持ちあわせた企業グループへと進化していく。
「アジア大交流時代」の幕開け−変化の後にチャンスあり
エイチ・アイ・エス代表取締役社長 平林朗氏
追い風になる要素はいくつもある。冬のオリンピック、サッカーW杯など、世界中の人々が大移動するイベントが多数控えている。「日本の空」も大きく変化しようとしている。成田の発着枠拡大や羽田の国際化、日米オープンスカイ協定など、旅行業界にとって大転換期を迎える年になると期待している。弊社では全世界1000店舗計画の目標を掲げており、昨年中に海外100拠点を達成した。なかには現地在住者をターゲットにした拠点もあり、今年は海外拠点展開を加速させる。変化にうまく対応できれば大きなチャンスが生まれると信じている。変化の後にあるものは「アジア大交流時代」の幕開けだ。
「熱意」から「結果」を−KNTにとってチャンスの多い1年
近畿日本ツーリスト(KNT)代表取締役社長 吉川勝久氏
2009年は大変な1年だったが、KNTでは将来につながる明るい動きもあった。「トカラ皆既日食ツアー」では、自治体などとの協力体制を数年前から築き上げ、約1100名を集客。また、旅行業の枠を越えてCCCの「Tポイント」を導入し、同会員3300万人の活用で新規顧客の獲得をめざす。今の時代は変化や需要を先取りし「お客様都合」で考え実行することが肝要だ。今年は国内では「平城遷都1300年祭」海外では「冬季五輪」「上海万博」などが開催され、イベントに強いKNTにとってチャンスの多い1年になる。仕事への「熱意」や「使命感」を高めるには「結果」を出し、全体をかさ上げしないとどうにもならない。一丸となって黒字転換を果たし、強いKNTを復活させよう。(社内年賀会の年頭挨拶より)
3つの「S」をキーワードに支持される商品をタイムリーに提供
日本旅行代表取締役社長 丸尾和明氏
昨年は極めて厳しい1年となったが、観光庁を機軸とした官民一体の取り組みの成果が確実に現れている点に光明を感じている。本年も「観光立国」への取り組みは加速されると期待しており、当社も観光産業の発展に貢献していく所存だ。一方、マーケットは予想を上回る速度で進化している。これに対応するため、当社では「Speed、Soft、Smile」をキーワードに、スピード感を持った対応と柔軟性をもった行動、笑顔で明るい対応で取り組んでいく。不況時にも、だからこそ「売れる」商品が必ず存在する。3つの「S」を併せ持ち、お客様に支持される商品を迅速かつタイムリーに提供することが最重要である。
自信を持ち、さらに磨き続ける−ジャルパックの再創業の年に
ジャルパック代表取締役社長 大西誠氏
JALグループ存続のため、厳しい対応が取られるだろうことへの心構えをしなければならない。グループの中核企業としては「JALの座席を最大限に活用して収入を上げること」「コストを抑えてグループの資金繰りに貢献すること」「“JALパック”ブランドを通じてJALブランドを高めていくこと」を意識し、日々の仕事を行なうことに尽きる。新年度からブランドを新しく変える事を決めた。45年前の創業の精神に立ち返り、新しい「JALパック」を成功させる。厳しい環境になるほど、自社の商品とサービス品質に自信を持ち、さらに磨き続けるとの気持ちで最善を尽くすことが大切。結果は必ずついてくる。今年をJAL同様に、ジャルパックにとっての再創業の年としよう。(社内年始式における年頭訓示より)
追い風吹く年、「旅の力」が発揮される土壌作りで活性化へ
日本旅行業協会(JATA)会長 金井耿氏
2010年は内外の大型イベントに加え、羽田の本格的国際空港化により旅行市場に大きな追い風が吹くことが期待される。さらに新政権が観光を重点政策とする方針を明確に示した。JATAとしては「民」の立場から、観光立国推進基本計画の5つの目標達成に向けて、イン・アウトの双方向の交流拡大をはかるべく、需要喚起に努めたい。海外旅行はVWCを中心に2000万人達成を早期に確実なものとする。国内旅行では年間宿泊数4泊の推進をはかる。訪日外国人旅行は富裕層への取り組みを強化する。JATAが主唱する「旅の力」が発揮される土壌作りをすることで、旅行業界全体の活性化と会員サービスの充実を期したい。
大きな変革の年、協働精神で幸福を分かちあう関係構築を
日本海外ツアーオペレーター協会会長 安達要吉氏
「大きな変革の年」になる。この変革にどう順応して行くべきか、経営者の力が試される時。だからこそ、利益を共有する関係者の協働精神に基づき「喜んで知恵を出しあう関係」を築くことが大切だ。旅行商品の価値は体験した消費者自身が決めるもので、その商品が実行されてから評価される。その意味で旅行会社や航空会社などと同様、ツアーオペレーターの役割も一層重要なものとなり、利益享受者の期待を一身に背負っているといっても過言でない。「喜びの連鎖」を実現するため、「協働精神」を発揮して多くの国々の人々と幸福を分かちあえる仕事を行なうよう、努力しなければならないと強く思っている。
再創業に向けて−会社の将来は皆の手中にある
日本航空代表取締役社長 西松遙氏
JALグループは創業以来の苦難に直面し、大変な心配と負担をかけた。それにもかかわらず、安全運航と定時制において過去最高レベルのフライトを提供でき、サービス面でも高い評価を頂いた。皆さんの努力とプロとしての仕事に心から敬意を表するともに感謝したい。今年はいわば「再創業の年」。過程においては耐え難い状況もあるだろうが、それを乗り越えてこそ再成長を遂げ、日本と世界を代表するエアラインとして繁栄が可能になる。会社の将来は皆さんの手中にある。社員自身が本気で変わることが最も大切なひとつであると思う。全員で力をあわせ、不撓不屈の精神で進もう。私も全力で頑張る。(JALグループ全社員に向けた年頭挨拶より)
いよいよ飛躍の年−このチャンスでの成長が不可欠
全日空代表取締役社長 伊東信一郎氏
昨年は公募増資や国際線進プロダクト、日米オープンスカイ合意に基づくATI申請など、苦しい中でも着実に将来に向けた準備をしてきた。2010年はいよいよ待ち望んだ首都圏の増枠、羽田の国際化、ボーイング787の就航を迎える大きな飛躍の年。中国を含むアジア諸国の成長とそれを睨んだ世界のアジア進出の動きなど、経済のグローバル化、ボーダレス化が一層進む。一方、景気低迷やデフレ傾向が続く予想のなかで、首都圏空港の再拡張を機に事業拡大に挑戦しながら黒字化・復配をめざす難しい年でもある。激しい時代の変化を掴み、チャンスをいかし成長することが、将来のANAにとって不可欠である。(年始式での社長年頭挨拶より)
新たなビジネスモデルを構築、グループの社会的有用性高める
JTB代表取締役社長 田川博己氏
アジア躍進の一年になると考えている。JTBグループも、世界市民レベルの交流促進をアジアの中の日本から発信していきたい。世界観光機構(WTO)によると、世界の交流人口は2010年は10億人に達すると予測されている。世界から日本への人流も、伸張が大いに期待される。「おもてなし」の精神を持って政策と連動し、観光立国の推進の一助となるよう、その役割を担っていきたい。世界規模で交流を創造する「交流文化産業への進化」を標榜し、新たなビジネスモデルを構築しながら、JTBグループの社会的有用性を高めていきたい。グループの人財力を活かし、革新を持ちあわせた企業グループへと進化していく。
「アジア大交流時代」の幕開け−変化の後にチャンスあり
エイチ・アイ・エス代表取締役社長 平林朗氏
追い風になる要素はいくつもある。冬のオリンピック、サッカーW杯など、世界中の人々が大移動するイベントが多数控えている。「日本の空」も大きく変化しようとしている。成田の発着枠拡大や羽田の国際化、日米オープンスカイ協定など、旅行業界にとって大転換期を迎える年になると期待している。弊社では全世界1000店舗計画の目標を掲げており、昨年中に海外100拠点を達成した。なかには現地在住者をターゲットにした拠点もあり、今年は海外拠点展開を加速させる。変化にうまく対応できれば大きなチャンスが生まれると信じている。変化の後にあるものは「アジア大交流時代」の幕開けだ。
「熱意」から「結果」を−KNTにとってチャンスの多い1年
近畿日本ツーリスト(KNT)代表取締役社長 吉川勝久氏
2009年は大変な1年だったが、KNTでは将来につながる明るい動きもあった。「トカラ皆既日食ツアー」では、自治体などとの協力体制を数年前から築き上げ、約1100名を集客。また、旅行業の枠を越えてCCCの「Tポイント」を導入し、同会員3300万人の活用で新規顧客の獲得をめざす。今の時代は変化や需要を先取りし「お客様都合」で考え実行することが肝要だ。今年は国内では「平城遷都1300年祭」海外では「冬季五輪」「上海万博」などが開催され、イベントに強いKNTにとってチャンスの多い1年になる。仕事への「熱意」や「使命感」を高めるには「結果」を出し、全体をかさ上げしないとどうにもならない。一丸となって黒字転換を果たし、強いKNTを復活させよう。(社内年賀会の年頭挨拶より)
3つの「S」をキーワードに支持される商品をタイムリーに提供
日本旅行代表取締役社長 丸尾和明氏
昨年は極めて厳しい1年となったが、観光庁を機軸とした官民一体の取り組みの成果が確実に現れている点に光明を感じている。本年も「観光立国」への取り組みは加速されると期待しており、当社も観光産業の発展に貢献していく所存だ。一方、マーケットは予想を上回る速度で進化している。これに対応するため、当社では「Speed、Soft、Smile」をキーワードに、スピード感を持った対応と柔軟性をもった行動、笑顔で明るい対応で取り組んでいく。不況時にも、だからこそ「売れる」商品が必ず存在する。3つの「S」を併せ持ち、お客様に支持される商品を迅速かつタイムリーに提供することが最重要である。
自信を持ち、さらに磨き続ける−ジャルパックの再創業の年に
ジャルパック代表取締役社長 大西誠氏
JALグループ存続のため、厳しい対応が取られるだろうことへの心構えをしなければならない。グループの中核企業としては「JALの座席を最大限に活用して収入を上げること」「コストを抑えてグループの資金繰りに貢献すること」「“JALパック”ブランドを通じてJALブランドを高めていくこと」を意識し、日々の仕事を行なうことに尽きる。新年度からブランドを新しく変える事を決めた。45年前の創業の精神に立ち返り、新しい「JALパック」を成功させる。厳しい環境になるほど、自社の商品とサービス品質に自信を持ち、さらに磨き続けるとの気持ちで最善を尽くすことが大切。結果は必ずついてくる。今年をJAL同様に、ジャルパックにとっての再創業の年としよう。(社内年始式における年頭訓示より)
追い風吹く年、「旅の力」が発揮される土壌作りで活性化へ
日本旅行業協会(JATA)会長 金井耿氏
2010年は内外の大型イベントに加え、羽田の本格的国際空港化により旅行市場に大きな追い風が吹くことが期待される。さらに新政権が観光を重点政策とする方針を明確に示した。JATAとしては「民」の立場から、観光立国推進基本計画の5つの目標達成に向けて、イン・アウトの双方向の交流拡大をはかるべく、需要喚起に努めたい。海外旅行はVWCを中心に2000万人達成を早期に確実なものとする。国内旅行では年間宿泊数4泊の推進をはかる。訪日外国人旅行は富裕層への取り組みを強化する。JATAが主唱する「旅の力」が発揮される土壌作りをすることで、旅行業界全体の活性化と会員サービスの充実を期したい。
大きな変革の年、協働精神で幸福を分かちあう関係構築を
日本海外ツアーオペレーター協会会長 安達要吉氏
「大きな変革の年」になる。この変革にどう順応して行くべきか、経営者の力が試される時。だからこそ、利益を共有する関係者の協働精神に基づき「喜んで知恵を出しあう関係」を築くことが大切だ。旅行商品の価値は体験した消費者自身が決めるもので、その商品が実行されてから評価される。その意味で旅行会社や航空会社などと同様、ツアーオペレーターの役割も一層重要なものとなり、利益享受者の期待を一身に背負っているといっても過言でない。「喜びの連鎖」を実現するため、「協働精神」を発揮して多くの国々の人々と幸福を分かちあえる仕事を行なうよう、努力しなければならないと強く思っている。
再創業に向けて−会社の将来は皆の手中にある
日本航空代表取締役社長 西松遙氏
JALグループは創業以来の苦難に直面し、大変な心配と負担をかけた。それにもかかわらず、安全運航と定時制において過去最高レベルのフライトを提供でき、サービス面でも高い評価を頂いた。皆さんの努力とプロとしての仕事に心から敬意を表するともに感謝したい。今年はいわば「再創業の年」。過程においては耐え難い状況もあるだろうが、それを乗り越えてこそ再成長を遂げ、日本と世界を代表するエアラインとして繁栄が可能になる。会社の将来は皆さんの手中にある。社員自身が本気で変わることが最も大切なひとつであると思う。全員で力をあわせ、不撓不屈の精神で進もう。私も全力で頑張る。(JALグループ全社員に向けた年頭挨拶より)
いよいよ飛躍の年−このチャンスでの成長が不可欠
全日空代表取締役社長 伊東信一郎氏
昨年は公募増資や国際線進プロダクト、日米オープンスカイ合意に基づくATI申請など、苦しい中でも着実に将来に向けた準備をしてきた。2010年はいよいよ待ち望んだ首都圏の増枠、羽田の国際化、ボーイング787の就航を迎える大きな飛躍の年。中国を含むアジア諸国の成長とそれを睨んだ世界のアジア進出の動きなど、経済のグローバル化、ボーダレス化が一層進む。一方、景気低迷やデフレ傾向が続く予想のなかで、首都圏空港の再拡張を機に事業拡大に挑戦しながら黒字化・復配をめざす難しい年でもある。激しい時代の変化を掴み、チャンスをいかし成長することが、将来のANAにとって不可欠である。(年始式での社長年頭挨拶より)