アクセスランキング、国交省のJAL再建支援が1位−リーマンショックから1年

  • 2009年9月12日
[総評] 今週の第1位は、国土交通省航空局による日本航空(JL)の再建支援について書いた記事でした。先週もJLの運営体制変更に関する記事(リンク)が1位になりましたし、注目の高さを改めて実感しています。一部では、民主党政権の誕生で、再建の方向性も含めて大幅な路線変更の可能性が指摘されていますが、航空局長の前田隆平氏は、支援は合理的な目的のために実施するもので、理解を得られるとの見方を示されました。戦後初の政権交代ですから前例も無く、何が起きるか予想も付きませんが、関空の補給金など空港関連予算も含めて、さらに注目が集まりそうです。

 さて、昨年9月のリーマンショックから約1年が経過しましたが、振り返ってみると、旅行業界にとってはさまざまな変化が起きた1年でした。過去のアクセスランキングをさかのぼると、やはりゼロコミッションと燃油サーチャージの登場頻度が高かったことが分かります。また、バンコクでの混乱、成田空港での貨物機炎上事故などもありました。海外旅行の需要も、リーマンショック以降の経済危機と新型インフルエンザで縮小してしまい、厳しい業界環境が続いています。

 ただ、そのような環境でも、7月ごろから「明るい兆し」を指摘する声が多く聞かれるようになってきています。もともと、景気後退の局面でも2月と3月の日本人出国者数は微減にとどまり、4月には2年ぶりにプラス成長をしていたわけですから、旅行への「意欲」自体は変わらず存在すると考えたいものです。

 来週には、JATA国際観光会議・世界旅行博2009が「世界を活かす旅の力−旅が世界を元気にする−」をテーマに開催されます。新型インフルエンザの第2波など懸念も多いですが、世界中から集まる業界関係者とコミュニケーションを取ることで、旅行業界の今後の可能性を占う、あるいは進むべき道の手がかりが見つかることに期待したいと思います。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング(9月第2週:9月7日11時〜9月11日18時)

第1位
航空局長、政権交代もJAL再建の方向性は「理解得られる」−空港関連予算も(2009/9/7)

第2位
燃油サーチャージ、外航32社が申請−廃止後の再設定は17社、改定期間変更も(2009/9/9)
燃油費申請続々と−コンチネンタル航空、キャセイパシフィック航空など(2009/9/8)

第3位
旅行業倒産件数、8月は3件で5億7300万円−緊急保証制度の効果か(2009/9/9)

第4位
トップインタビュー:ユナイテッド航空太平洋地区副社長ミュラー氏(2009/9/8)

第5位
コンチネンタル航空、大阪に支店開設−関空/グアム線の復便で(2009/9/9)

第6位
大韓航空、中長距離向け運航機材を刷新、総額2億ドル投じ最新シートを装備(2009/9/8)

第7位
羽田/北京定期チャーターの詳細決まる−日系2社と中国国際航空、1日4往復(2009/9/11)

第8位
ルフトハンザ、オーストリア航空の統合完了、グループ傘下に(2009/9/9)

第9位
シンガポール航空、A380の受納時期を延期−年度内予定の2機は変更なし(2009/9/7)

第10位
TPC、大手寡占への対抗を強調−バイヤー主導に転換へ、規模拡大にも手応え(2009/9/9)