セブン&アイが旅行事業を始動、自社商品34コースから−初年度50億円めざす

  • 2009年8月28日
 セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブンカルチャーネットワークは、このほど旅行商品の販売を開始した。セブンカルチャーネットワークは今年1月15日設立で、4月に第1種旅行業(観光庁長官登録旅行業 第1870号)を登録。「学び(カルチャー)」&「体験(旅行)」を融合した旅行事業をめざし、既存事業である文化教室の参加者層をターゲットにした旅行商品を展開するほか、同グループの西武百貨店とそごうの富裕層顧客向けの旅行商品も販売する。また、体験型の日帰りイベントを展開する「ぽけかる倶楽部」と提携し、セブン−イレブン店舗で日帰りイベントも販売。セブン&アイ・ホールディングス広報センターによると、2009年9月から2010年8月までの1年間で、50億円の売上高をめざす方針。

 文化教室事業の参加者層をターゲットにした商品は、自社企画30コースを掲載したパンフレットを作成し、8月20日から池袋コミュニティ・カレッジで販売。例えば、池袋コミュニティ・カレッジ開校30周年記念企画の「長谷川理恵と楽しむランニングレッスン〜気持ちよく走って、フルマラソン完走を目指そう!!〜」では、マラソン初心者を対象とし、プロのランニングコーチである金哲彦さんが直接指導するランニングレッスンを受け、長谷川理恵さんと一緒にJALホノルルマラソン完走をめざす。旅行代金は29万8000円からで、ランニングレッスンの受講料金は2万5200円。最少催行人数は20名。

 また、富裕層顧客向け商品も30コースでパンフレットを作成。このうち4コースが自社企画で、26コースは大手旅行会社の富裕層向け商品とした。これらの商品は、そごうと西武の「ロイヤル・プラチナ会員」のみが対象。自社のセブンカルチャーネットワーク創業記念ツアー「麗しの香港4日間」は旅行代金が19万8000円からで、トラムやビクトリア湾クルーズ、夜景鑑賞のほか、ミシュランの星付きレストランなどでの食事、10月開業予定のハイアット・リージェンシー香港チムサチョイでの宿泊を組み合わせた。9月1日から西武池袋本店とそごう横浜店で稼動する、文化教室事業と旅行事業を融合した複合型売り場で販売する。

 日帰りイベントの販売は、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県にある約4100店舗から開始。店舗にぽけかる倶楽部のパンフレットを設置し、消費者がマルチコピー機を操作することで購入できるようにする。同広報センターによると、旅行商品ではなく体験型の日帰りイベントの販売としての位置づけ。コンビニでの募集型企画旅行の販売は、旅行業法上は可能で、「(販売したい)想いはある」ものの、現在のところ計画はないという。なお、ぽけかる倶楽部の取り扱い店舗は、来年春までをめどに茨城、栃木、群馬での展開をめざすほか、イベントの共同企画にも取り組む可能性があるという。