JATA、クルーズ振興で取消料と航空運賃の取組継続−10年の市場拡大に期待

  • 2009年7月23日
 日本旅行業協会(JATA)は2006年から継続する「クルーズイヤー」を2009年も実施する。JATA海外旅行業務部担当副部長の大澤健吾氏と川口朋巳氏によると今年も、フライ&クルーズ約款と標準約款の間で取消料にギャップが生じることや、クルーズ旅行の特性上、パッケージツアーの航空運賃が高くなってしまうことの解消に取り組む。また、2010年に大型の外航客船が日本発着のクルーズを計画していることから、これによる市場の変化も見据えて事業を展開する方針だ。

 取消料については、標準約款見直しの議論もあるため、全体的な流れに沿って検討を進める。航空運賃は、パッケージツアーの造成から出発日までが通常より長いことや、クルーズに乗船、下船する都市が異なる場合に片道づつ仕入れなければならないことことなどから、高額になる傾向がある。これまでの取り組みでは大きな進展は得られなかったものの、「今年は旅行業界も航空業界も経営環境が厳しく、クルーズ参加者は『良いお客様』であることを訴えるチャンス」と捉え、積極的に航空会社と交渉していく。

 2010年の変化については、「1泊100米ドルでツアーを組めるようになれば市場は変わる」との認識で、若年層やファミリー層の増加に期待。今年9月に予定するJATA国際観光会議でも、クルーズをテーマにシンポジウムを開催し、この「変化」を見据えてパネルディスカッションを実施したい考えだ。

 なお、消費者向けにも「クルーズ体験キャンペーン」を展開する。これは、国内・海外のクルーズ旅行を抽選でプレゼントし、体験談の提出を求めるもの。第1弾から第3弾まで予定しており、体験談は今後のプロモーションなどに活用する方針だ。


▽関連記事
JOPA新会長、「クルーズは夢を売るビジネス」、クルーズ人口増加に意欲(2009/06/26)