Marriott Bonvoy

南アフリカ・ムプマランガ州、日本のW杯予選突破で観光需要に期待

  • 2009年6月10日
 2010年のFIFAワールドカップ(W杯)に向けて、南アフリカ観光局理事長のジャブ・マブザ氏によれば「少なくとも30万人が観戦に訪れる」と見込んでいる。チケットは303万席の販売分とあわせ370万席分が用意されたほか、2006年のドイツ大会では、開催12都市でのパブリックビューイング「ファンフェスト」にも1800万人が集まったことから、今回も国内外から何百万人もの観客が訪れると予想され、旅行業界の期待も高まっている。

 なかでも州都ネルスプロイトがホストシティとなったムプマランガ州はW杯を外国人観光客誘致の絶好の好機ととらえ、ピーアール活動に力を入れている。ムプマランガ州観光公園局(MTPA)最高マーケティング責任者のゾレルワ・ムコゾ氏は、「サファリ体験ができるクルーガー国立公園、風光明媚なブライデリバーキャニオン、豪華ロッジ、民族文化、アウトドアなど日本人好みの多様な観光素材が豊富。これらの観光ポイントが100キロメートル圏内にあるため観戦前後の観光として組みあわせがしやすい。ムプマランガ州は滞在拠点として最適」と話す。隣国のモザンビークやスワジランドにも近く、ムコゾ氏は「現在、ツアーオペレーターに試合日程の合間に行けるようなオプショナルツアーの造成を推進している」という。

 同州は、知名度アップにつながるベースキャンプ地の招致にも積極的だ。W杯開催時に冬となる南アフリカはサッカーに最適の季節。なかでも年間を通して比較的温暖な同州は、「暑すぎず、寒すぎない気候が選手にとってメリット」とムコゾ氏。特に力を入れている日本市場は「招致活動においても重要なターゲット」と見ており、「日本のW杯出場が決まり次第、キャンプ招致のロビー活動に動く」と意欲を見せた。


▽アフリカンスタイルのムボンベラスタジアム

 ムプマランガ州のネルスプロイトで建設が進められている競技場は個性的だ。南アフリカ人設計によるこのムボンベラスタジアムは、キリンの形をした18本の柱、客席はシマウマの模様、南アを代表する動物である象、レパード、サイ、バッファローをシンボルに使うなど、他の新設の近代的なスタジアムに比べて“アフリカらしさ”を追及している。4万6000人を収容するこのスタジアム、客席からピッチが近いのも特徴で、上方の席からも試合の臨場感が十分に味わえるという。10月の完成予定で、W杯では6月16、20、23、25日の日程で予選4試合が開催される。 ※収容人数はFIFAに基づく


取材:平山喜代江 (5月中旬、INDABAにて)