航空業界、2009年の損失は90億米ドル−IATA、景気後退で予測を下方修正

  • 2009年6月10日
 国際航空運送協会(IATA)は、2009年の航空業界の損失予測を90億米ドル(約8832億円)に引き下げた。3月の段階では47億米ドル(約4612億円)を予想していたが、経営環境の急速な悪化を反映。2008年の損失も85億米ドル(約8342億円)から104億米ドル(約1兆206億円)に下方修正している。旅客数は前年比8%減の20億6000万人となる見込みで、合計の営業収益は15%減の4480億米ドル(約43兆9647億円)を予想する。

 営業収益を15%減と予想したことについて、IATA事務総長兼CEOのジョバーニ・ビジニャーニ氏は、「9.11の後は7%落ち込んだ。経済状況が好調であったにも関わらず、回復には3年を要した」とコメントし、現状の困難さを指摘。

 地域別では、アジア太平洋地域が33億米ドル(約3238億円)と最大の損失を出す見通しで、特に地域最大の市場である日本は「深刻な不況」との分析だ。