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ドイツ、テーマ性のある旅を提案−ニッチなマーケットの取込を強化

  • 2009年5月29日
 ドイツ観光局は5月28日、第14回ドイツ旅行展にともないプレス・プレゼンテーションを開催した。2009年はベルリンの壁崩壊20周年やバウハウス創立90周年であることを契機に、テーマ性のある旅行を提案していく。駐日ドイツ連邦共和国大使のハンス=ヨアヒム・デア氏は、「日本人全てではないかもしれないが、人数が多くなくとも強い関心を持つ人はいる」と話し、ドイツが文化や建築、音楽、産業など、多様なテーマの素材を提案できることを訴えた。また、ドイツ観光局アジア・オーストラリア地区統括局長のペーター・ブルーメンシュテンゲル氏は、2008年の日本人宿泊数が前年比5.3%減の113万328泊であったことから、「150万泊を達成した2000年の数字に近付けたい」と述べ、各テーマや同観光局のセールスアクティビティについて紹介した。旅行展には現地から地方観光局やホテルなど約35団体が参加、同時にワークショップも実施した。

 2009年のテーマとしては特に、ベルリンの壁崩壊20周年とバウハウス創立90周年を提案。ベルリンでは、1.3キロメートルのベルリンの壁が残る「イーストサイドギャラリー」や、東ドイツの国家公安局による収容所などを見学できるなど、ドイツの歴史を体感できる観光スポットが点在する。ドイツ観光局では、他のヨーロッパ地域にはない素材として、若年層の修学旅行など平和教育や国際教育の一環として取り上げることをアピール。また、バウハウスに関しては、日本の建築やデザインにも大きな影響を与えたとして、そのルーツなどを探る旅行を提案する。バウハウス造形学校が創設されたワイマールを始め、デッサウ、ベルリンなどでデザインを見ることができるという。

 さらに、ドイツ観光局では2008年から続く世界的な経済危機などの影響で海外旅行需要が伸び悩む中、新たなマーケティング戦略、「Affordable Hospitality」を掲げる。これは同観光局の本局がヨーロッパ各国のトラベルマートなどでヨーロッパ県内の旅行についてリサーチした結果、ヨーロッパ各国の中でも値頃感のある旅行ができるという評価を受けたため。また、BAT Foundation for Future Issueによると、旅行者が宿泊、食事、観光にかける1日あたりの平均支出額がドイツは67ユーロであったことから、1日1万円以下で観光できると訴えていく。ドイツ観光局では、ドイツ旅行が高級なものではなく、比較的安価で高い価値が味わえることをアピールするねらいだ。