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中国、日中観光交流の拡大に向け上海万博と世界遺産をアピール

  • 2009年5月8日
 中国国家観光局は4月28日に観光説明会を開催、2010年の上海万博および37ヶ所の世界遺産を打ち出し日本人訪問者数の増加をめざす。中国国家観光局国際司副司長の薛亜平氏は、「2008年は四川大地震や経済環境の悪化などの影響で日本人訪問者数が減少した」と話す一方で、「上海万博や世界遺産を通じた旅行ツアー造成促進と集客をはかりたい」と述べた。また、観光庁室長の勝又正秀氏は、ゴールデンウィークの中国方面の予約状況が前年に比べて約40%増加していることや3月の日本への中国人訪問者数が10%以上の伸びを示したことを紹介し、「歴史的、経済的にも深い関係があり、アウトバウンドの推進に協力する」と強調。さらに、インバウンドについては、「ビザ緩和が予定されており、予算を用いてさらなる拡大に向けて取り組んでいる」と話した。当日は12の市や省、自治区の代表者らが来日、各地の魅力について説明した。

 上海市では2010年5月1日から10月31日まで開催する上海万博を前面にアピールする。2月24日までに万博参加を表明した国や国際機関は過去最高の231で、すでに40ヶ国以上が展覧会場の建設を決定しているという。会場では各国の文化や経済、科学技術などに関する展示をおこなうほか、毎日園内にて各種文化演劇活動を100回開催する予定だ。インフラ面では、万博開始までに現在8本の地下鉄を含め計13本の軌道交通が整備されるほか、2008年末時点で4ツ星、5ツ星ホテルの客室数があわせて約10万室となったことなどを説明。6月30日までであれば指定日普通入場券は170円、平日普通入場券は130円、7月1日以降はそれぞれ180円と140円にて販売する。上海市旅游局の周愛梅氏は上海万博について、「外国人訪問者数は350人を見込んでいるが、このうち日本人だけで約117万人をめざす」と語った。周氏によると、「1月から3月までは経済危機の影響を受けたものの4月以降は回復傾向にある」という。2008年の上海への日本人訪問者数は約110万人、2009年は前年比5%増となる115万5000人をめざす。

 このほか、北京では万里の長城や紫禁城、世界で最も長い回廊「天壇」、山東省の泰山やワイン海岸、陜西省の始皇帝陵と兵馬俑坑など各地の世界遺産を紹介、パッケージツアーの商品造成を促した。