亀岡市と加西市に観光まちづくりの提言書、近畿運輸局

 国土交通省近畿運輸局は4月13日、近畿観光まちづくりアドバイザー会議の作成した提言書やリーフレットを京都府亀岡市、兵庫県加西市に手渡した。2市は2008年度の「観光マーケティング促進事業」の重点地域に選ばれていた。

 観光マーケティング促進事業は、近畿運輸局管内で観光まちづくりの推進や旅行商品化を目指し取り組む自治体を募り、旅行会社や運輸機関などで組織する観光まちづくりアドバイザリー会議(吉兼秀夫座長=阪南大学国際コミュニケーション学部教授)が重点支援地域を選定。現地視察や意見交換を重ねコンサルティングを行う。今年度は亀岡、加西市に対してコンサルティングを実施し、この日までにそれぞれの観光まちづくりに向けた提言書と視察を基にしたリーフレットを作成した。

 授与式には、亀岡市商工観光課の樋口竜次さん、加西市ふるさと営業課の吉川雅人さんが出席し、近畿運輸局企画観光部の平嶋隆司部長が手渡した。平嶋部長は「アドバイザリー会議で議論しまとめました。観光は地域のブランド化に大きな役割を果たすものだと考えています。今後とも可能な限り支援します」とエールをおくった。樋口さんは「来年、亀山城築城400年を迎えます。城下町に多くの人に来ていただけるようになれば」と話し、吉川さんは「北条鉄道を核に、鉄道に乗る楽しみを提供したいですね」と今後の抱負を語った。

 アドバイザリー会議が作成した亀岡市への提言書は、嵯峨野観光鉄道(トロッコ電車)や保津川下り、湯の花温泉といった一級の観光資源に集中する観光客を市内へ分散、波及させるために、亀山城主だった明智光秀や京野菜の生産地であることをアピールすることを勧めた。また、JRなどとの連携強化や、旅行会社の商品企画造成担当者を現地に招く研修の実施を促した。リーフレットは、京都市と隣接する地の利を生かしてタイトルを「京(今日)から『かめおか』です。」とし、京都市から訪れた観光客を城下町や七福神めぐりへと誘導することを意図して作成した。

 加西市については、市民参加型の観光まちづくりへの気運醸成が必要であるとし、市民向けの加西発見ツアーの実施などから手がけてはどうかと提言。リーフレットは「拍手かっさい加西」と銘打ち、北条宿の町並みや鶉野飛行場跡地などの観光資源をミシュランガイドの3つ星ならぬ、市民おすすめ度合いを「かっさい度」という拍手の数で紹介している。


情報提供:トラベルニュース社