フランス、共同プロモーションで潜在需要の開拓を−ランデブー・フランス

  • 2009年4月3日
 (パリ発 本紙:高橋絵美)3月31日と4月2日、フランス最大のトラベル・マート「ランデブー・フランス」が首都のパリで開催され、フランス国内のサプライヤー約600団体、世界各国から850以上の旅行会社や関連企業がバイヤーとして参加した。日本からも約20社がバイヤーとして参集。参加者からは「今後の商品造成に役立つ情報がたくさん見つかった」、「実際に現地の担当者に会うからこそ分かる詳細な情報がある」との声が多数聞かれた。フランス政府観光局日本局長のカトリーヌ・オーデン氏もトレードショー参加の意義について、「新しいフランスの旅行素材を探すのに非常に有効」とし、「フランスはリピーターが多いため、旅行者がフランス旅行に求めるものも多く、その内容も質が高い傾向にある。このような機会を有効活用し、各社の顧客に合う素材を見つけ、ニーズに合った商品を提供して満足度を高めてもらいたい」と述べた。

 2008年におけるフランスへの外国人訪問者数は約8000万人で前年比3%減となった。トラベル・マートの会場で挨拶したフランス観光大臣のエルベ・ノベリ氏は、減少の主な原因を昨今の世界的な経済危機とし、「現在行われている、もしくは今後予定されているプロモーションやキャンペーンなどの活動が、この経済危機によりスローダウンしている」と説明。しかし、そのような状況下でも、ブルガリア、リトアニアなど今回のトラベル・マートでバイヤーとして初めて参加した市場もあり、「参加国が増えているのは、フランスがどのような状況においても未だ魅力的であるということを示している」と語り、官民が協力してその魅力の維持や、常に変化する市場に迅速に対応するための環境作りに努める姿勢を示した。


▽日仏150周年キャンペーン「日本、フランス、こうゆう関係」は成功

 観光局本局長のティエリ・ボディエ氏は、本紙のインタビューに応じ、2008年フランス政府観光局がおこなった双方向のキャンペーンは、「両国のイメージや認知向上の点において非常に成功した」と評価。ただし、2008年のフランスへの日本人訪問者数が57万8000人で前年と比べ12%減少したことを受け、「このように大規模なキャンペーンを行ったのにも関わらず、2008年の後半に起こった経済の悪化により数値的な結果を残せなかったことが非常に残念」と語った。また、ボディエ氏によると「両国の魅力をアピールする双方向のキャンペーンは、若者の旅行需要の喚起に非常に有効的」と話し、「近年日本への旅行に興味を持っているフランスの若者が非常に増えてきている。キャンペーンによりそれら潜在的な需要をさらに刺激することができ、その状況は日本も同じ。このような活動を続けることで観光産業全体の活性化につながれば」と、双方向の交流を打ち出すキャンペーンを継続していく重要性を述べた。