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韓国・慶尚北道、地方都市の魅力アピール−「ソウルの次の場所」を提案

  • 2009年3月27日
 韓国の慶尚北道は3月24日、旅行業界向けセミナーを開催した。冒頭で挨拶した慶尚北道観光局長のキム・ドンファン氏は、慶尚北道はここ数年、外国からの観光客数を着実に増やしていると説明。その観光目的は色鮮やかな文化・歴史的背景、世界遺産や自然景観など多岐に渡っているという。リピーターや周遊客の獲得、宿泊数を伸ばすことを目標に、地方の魅力を積極的に伝えていきたいと意気込みを語った。

 続いて日本広報担当のチェ・ナニ氏によるプレゼンテーションでは、映画やドラマの撮影地や人気俳優の生家をめぐる「韓流」、魚介類やマツタケ、高麗人参といった「グルメ」に、慶州仏国寺や石窟庵といった「世界遺産」など、さまざまなテーマに基づいた観光素材を紹介した。

 また、朝鮮時代の文化体験ができるソンビ村ステイや慶州骨窟寺での禅武道や祇林寺などで瞑想が体験できるテンプルステイ、陶磁器制作といった文化施設のほか、慶州桜やツツジを眺めながらのトレッキングなど参加体験型のアクティビティも紹介。これらは、家族連れだけでなく修学旅行やMICEなどでも利用できる可能性がある。

 また、韓国観光公社(KTO)東京支社長のオ・ヨンス氏は、釜山から安東、慶州をめぐる周遊プランを挙げ、“ソウルの次に出かける場所”を提案。慶尚北道にも温泉つきやモダンで質のいいホテルがあり、また、「流通ではソウルを抜いた」という新世界、ロッテの二大デパートもできたため、ショッピングも問題ないことをアピール。ソウルに一極集中している観光客に地方都市の魅力を伝え、より深く韓国を知って欲しいと語った。

 広報説明会に参加したある旅行会社社員からは「ウォン安や韓流ブームといった一過性の盛り上がりに乗った企画商品ではなく、恒久的に魅力のある人気商品が必要」との声も聞かれたが、慶尚北道のバラエティに富んだ観光素材はそうした商品を生み出す潜在力を持っているといえそうだ。