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若い感性を地域再生に、神戸夙川学院大が「観光甲子園」シンポ

 神戸夙川学院大学(神戸市中央区)は3月8日、今夏に開催する高校生を対象とした観光プランのコンテスト「観光甲子園」のシンポジウムを開いた。テーマは「観光教育の必要性と『観光甲子園』の役割」で、関西を中心に全国の高校教諭や観光関係者など約80人が参加した。

 パネルディスカッションは、同コンテストの大会組織委員長で北海道大学観光学高等研究センター長の石森秀三さん、観光庁審議官の西阪昇さん、大阪市立天王寺商高教頭の吉田常行さん、同大学長の渡瀬信之さんがパネリスト、コーディネーターを同大教授の戸祭達郎さんが務めた。

 同コンテストの意義について、石森さんは「最近は漫画やファッションなど様々な『甲子園』があるように、高校生が力を入れて取り組む分野は世界に認められるものばかり。観光立国を目指す中、地域再生が重要で、コンテストでは高校生の若い感性ならではの地域貢献が期待できる」と語った。

 観光教育の実践者で、コンテストの発案者でもある吉田さんは「高校生は知識は豊富だが、考える力は弱い傾向がある。観光を切り口にビジネスプランを発表させることで、考える力をつけさせたいと考えた。地域との協力体制も築きやすく、相乗効果も得られる。コンテストを学ぶ場と捉え、観光客を受け入れる側の視点も学ばせたい」と教育者の視点からコンテストの役割を論じた。

 また、渡瀬さんはコンテストの実施について「観光の奥深さや本質を教育につなげるのが本学の使命と考えているが、今回は観光をつくりあげるのがテーマ。いずれ誰もが観光をつくる時代になると考えており、『甲子園』という発想と結びついた」と話した。

 西阪さんは「高校生に観光が社会に果たす役割を学んでもらい、創造的なプランを考えてほしい。高校生が地域について考えていることを大人にも知ってもらいたい」と期待を寄せた。

 その後、観光プランの応募シートの書き方が説明された。模擬事例を使った説明を、高校教諭らは熱心に聞き入っていた。

 同コンテストは、高校生が地域の観光資源を生かした商品化を目指せる観光プランを考え、全国から募集するもの。高校生の感性で地域の魅力を見つめ、地域活性化に貢献することをねらいとしている。4月から募集を開始し、7月21日の予選の審査結果発表、8月23日の本選を経て、グランプリを決定する。


情報提供:トラベルニュース社