ペルー、マチュピチュ、ナスカ以外の多様性を紹介、日本市場に大きな期待

  • 2009年3月3日
 ペルー共和国貿易観光大臣のメルセデス・アラオス氏の来日にともない先ごろ、アラオス氏の主催でペルー観光促進セミナーが開催、新しいデスティネーションとしてのペルーを紹介した。

 ペルーはマチュピチュ遺跡やナスカの地上絵で日本人にも人気のデスティネーションとなっている。アラオス氏によると、2004年から2007年にかけてペルー訪問者数は41%増加、2008年は前年比7.5%増の約190万人だという。行き先や楽しみ方も広がり、より多くの観光素材が求められるようになってきている。

 アジア地区から訪問者のうち日本人が最も多く、2007年度には3万8000人強が訪れた。訪問者の88%がペルー旅行に満足し、再訪したい感想だという。また、近年の日本人旅行者は近場のアジアだけでなく、より遠くへ足を伸ばす傾向にあること、日本が旅先で出費の多い国として世界7位にランクされており、その出費額の平均は1515ドルにものぼる。そのため、ペルー政府観光局は日本を大変重要なマーケットとみて観光促進を強化する構えだ。

 ペルーへの旅行者の99%が玄関口である首都リマに滞在し、あとはマチュピチュ、クスコ、ナスカと続く。現在、JICAなどの協力を得てペルー国内すべての県に観光ルートを開発中であり、見どころが多いという。チリからはじまりコロンビアまで続く“インカの道”カパック・ニャン、遺跡、自然、文化に触れることができるモチェ文化探訪ルートなどを提案。横浜や大阪などでも観光セミナーを開催し、さまざまな新しいルートを紹介していく。日本人は8日間のプランで旅行することが多いが、観光ルートが増えることで、ヨーロッパやアメリカ人のように平均12日間に滞在日数が増えることも期待している。


▽観光親善名誉大使に吉川晃司氏、松久信幸氏

 日本にペルーを紹介し、認知度をあげるため、ペルー政府観光局は観光親善名誉大使を任命。ペルーにゆかりのある人物として、ペルーに3年間住んだ経験のあるシェフの松久信幸氏、そして一昨年に1ヶ月半をかけてペルーを旅したミュージシャンの吉川晃司氏が選ばれた。

 世界に23のレストランを運営する有名シェフである松久氏は、自身の代表料理にもペルーの伝統料理を取り入れるほどペルー料理に魅了されているといい、ヒルトン東京での「ペルー料理フェア」にも協力。日本人にも食べやすいよう、和食の要素も取り入れたフュージョン料理に仕上げ、よりペルーに親しんでもらう。

 吉川氏はドラマ撮影のため会場には姿を現さなかったものの、「海岸やインカの道を歩いた、その体験を人々に語り、日本人の知らないペルーを紹介していきたい」と、本人に代わってマネージャーの田所氏が本人の意気込みを語った。