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ウィーン、2年前倒しで1000万泊達成−日本市場も回復の兆し

  • 2009年3月3日
 オーストリア政府観光局の本局から、中東・アジア・オセアニア地区担当部長のミヒャエル・ドゥーシャー氏とウィーン市観光局の広報官アンゲリカ・グチェビタ氏が来日、ウィーン市の現状と今後の方針を説明した。

 昨年、ウィーンは全世界からの宿泊日数で前年比5.8%増の約1000万泊を記録した。ウィーン市観光局では当初、2010年までに1000万泊以上の宿泊数をめざす計画「プロジェクト2010年」を設定していたが2年前倒しで達成。グチェビタ氏は「ホテルの客室数の増加に加え、現代建築やデザインなどの現代的な側面なども世界的に受け入れられつつあり、新たな旅行者の開拓ができた証し」と理由について述べ、評価した。

 また、昨年のウィーンにおける日本人宿泊数は、9.1%減の約25万泊となったものの、今年1月の日本人宿泊数は5.2%増を記録し堅調に推移している。ドゥーシャー氏によると、「2008年の1月から2月は、ユーロ高と燃油サーチャージ額の高騰が重なり、非常に厳しかった。逆に今年の1月は数年ぶりに円高になり、旅行者を後押しした」と、理由を語った。

 現在、オーストリアを訪れる日本人の約60%がウィーンを訪問。宿泊数とホテルの宿泊売上のどちらにおいても、日本は長距離マーケットの中で、アメリカに続き2位の位置を占めている。こうした現状を受けドゥーシャー氏は、「日本は引き続き重要な市場。特に、日本人の多くが4ツ星以上のホテルに宿泊するケースが多いことから、ホテルの宿泊売上では、全世界で10位。近隣のフランスの売上を抜いている」と、日本市場の重要性を強調した。

▽新たに若年層の取り込みを強化、現代性をアピール

 今後ウィーンでは、ウィーンのデザインやライフスタイル、そして現代建築などをはじめとするモダンな部分をこれまで以上に打ち出して行く予定だ。その一環として、今年秋に開催される「東京デザイナーズウィーク」では、デザインメッセ、「100%デザイン東京」に出展し、10日間にわたりウィーンの現代デザインを披露する。グチェビタ氏は、「現在ウィーンを訪れる日本人は、50歳以上のシニアが多い。ウィーンの現代性をアピールすることにより、日本のOLや若い世代にウィーンの魅力を伝えることができれば」と、こうした大規模イベントに参加する意義を語った。ただ、日本においてはハプスブルグの歴史や芸術など、ウィーンの伝統的な素材にも根強い人気があるため、「日本向けには、現代的な部分と伝統的な部分を上手なバランスで訴求できれば」と語っている。