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オーストラリア政観、09年は旅行者数重視、多様な施策で目標達成へ

  • 2009年2月27日
 オーストラリア政府観光局(TA)は2009年、日本人訪問者数の確保を重視して施策を展開する。2008年の日本人訪問者数は前年比11.9%減の46万2000人であった。TA日本・アジア統括本部長のリチャード・ビアー氏は2月26日、「2009年はさらに落ち込むことが予想されるが、それでも(全世界で)5位以内に入る」と日本市場の重要性を強調。中長期的にはブランド認知の向上にも取り組む姿勢で、様々な施策を展開して日本人訪問者を誘致する方針を示した。

 2009年の日本人訪問者数は11.9%減の40万7000人の予想で、TAではこれを上回ることを目標に掲げる。しかし、TA日本局長の堀和典氏によると日本/オーストラリア間の直行便の提供座席数は2009年4月時点で30%減となり、年間ベースでは65万席となる。実際の搭乗率などを考慮すると、目標達成には「足りない」状態だ。このためTAでは、直行便の座席を埋めることを最優先としつつ、コンチネンタル航空(CO)のグアム経由などのルートや、昨年末のITCチャータールールの緩和をふまえチャーター便も促進する。

 座席数の減少や景気後退など環境は厳しいものの、一方で燃油サーチャージの値下げや豪ドル安など追い風も吹く。燃油サーチャージは昨年10月から12月は往復で最高6万6000円であったが、4月以降は7000円となる。豪ドルも往時と比較して約44%下落。先ごろに新聞広告で1500万世帯に豪ドル安をアピールしたところ、TAのガイドブックの申し込みが7倍になったほか、広告内で掲載した旅行商品の販売にもつながったという。


▽2009年、OL層は堅調の予想、世界遺産キャンペーンも継続展開

 2009年の顧客層別の需要動向についてビアー氏は、OLが底堅く、家族やシニアは弱含み、インセンティブと修学旅行は苦戦すると予想。修学旅行は、もともと西日本の学校からの需要が強かったところに減便が重なったため。TAとしては、チャーター便の活用や、学校を訪問して教員にアピールするなど需要取り込みに注力する方針だ。

 このほか、映画「オーストラリア」と連動したプロモーションも展開中で、映画の内容と連動した広告を放映している。また、世界遺産キャンペーンも継続。世界遺産キャンペーンでは、オーストラリアに世界遺産があることはすでに打ち出してきており、今後は世界遺産と関連するアクティビティなどの情報を提供していく。