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バンコクで世界的規模のFAM開催、TATはイメージ回復はかり需要喚起

  • 2009年2月26日
 (バンコク発 特派:竹井智) タイ国政府観光庁(TAT)とタイ国際航空(TG)は24日、バンコクにて全世界の旅行関係者やマスメディアを対象にしたFAM「Amazing Thailand Amazing Value」を共同で開催した。昨年11月末に起こった空港閉鎖によるイメージの低下と、その後の景気低迷による需要落ち込みをリカバーするのが目的だ。それに先立って日本人記者団との会見を実施したTAT副総裁のサンティチャイ・ウアチョンプラシット氏は、日本市場の重要性を強調。先ごろにはタイ首相のアピシット・ウェチャチワ氏ら政府首脳も来日し、邦人観光客の信頼や日系企業の投資意欲の回復をはかるためにも、国際的信頼の回復に向けた決意を表明している。

 ウアチョンプラシット氏は、「タイへの2008年の渡航者数は、全体では1%増の1460万人だったが、日本人に限定すると前年比9%減の116万人だった。しかし、昨年後半の経済不況を鑑みると、この程度の落ち込みでよく留まったと思う」と分析。一方2009年の見通しとしては、110万人から120万人と昨年同様の水準で推移すると予測し、「需要低迷の理由はすでに政治的な要因ではなく、世界的な経済危機にあると考えている。そのため景気の回復によって左右されるかもしれない」との見通しを示した。

 今後の需要喚起の方策としては、「日本では今後、修学旅行に加えジュニアゴルフの合宿などを含んだ学生および青少年のマーケット、そして新しい海外ウエディングの仕向地になるようハネムーナーのマーケット、最後に高いレベルにある医療サービスをプロモートしてロングステイのマーケットと、新しく3つのマーケットへも注力していきたい」と説明する。

 需要喚起のための予算は全世界で15億バーツ以上確保している。また、ホテルやツアーオペレーターなどの協力も得て特別料金のサービスを提供するなど、官民挙げて取り組んでいく考えだ。さらに空港と市内を結ぶ新交通網「エアポートリンク」が8月12日に開通する予定といい、完成後は特急なら空港と市内が15分で、普通でも27分で結ばれる。ウアチョンプラシット氏は「料金も150バーツ前後といわれており、FITやビジネス客にとっては非常に便利になるだろう」と期待を示した。

 なお、FAMには22カ国40都市から約450人が参加。タイ側は観光業界関係者に加え、アピシット・ウェチャチワ首相も参加。「1964年に8万人だったタイへの渡航者数が、2008年には1460万人にも膨れ上がった。タイにとって観光業は、貿易よりも重要な産業だ。そのためフレンドリーでピースフル、そしてバリューのあるタイのイメージを取り戻すため、中長期的なビジョンに立って、10ほどのプロジェクトを立案中だ」と挨拶。国を挙げて観光産業を盛り立てていく考えを示した。