フォーシーズンズ・ボラボラ、多様な需要に対応−日本向けサービスも充実

  • 2009年2月20日
 フォーシーズンズリゾート・ボラボラは昨年9月1日の開業以降、日本人宿泊者が全体の15%から20%となり、北米の50%、ヨーロッパの25%に次いで大きな割合を占めている。このほど来日した総支配人のセバスチャン・カー氏によると、日本市場では今後、ハネムーナーだけでなくファミリー層やインセンティブなど、多様なセグメントからの集客をめざす方針だ。上期からは旅行会社のパンフレットにも掲載され、販路が拡大。ウェディング需要にも取り組み、4月からワタベウェディングなど数社で取り扱いが始まる予定だ。

 インセンティブでは特にハイエンドの層がターゲットであるため、航空路線の上級クラスの座席数で団体の規模が決まる。このため、日本市場では20部屋程度のグループを想定する。日本人向けのサービスとしては、全てのメニューを日本語に翻訳しているほか、ゲストリレーションのマネージャーに日本人2名を採用。朝食には日本食も用意している。

 このほか、プロモーションの一環として、2月10日から19日にかけてフォーシーズンズホテル椿山荘東京のスパ「悠 YU, THE SPA at Four Seasons」で、フォーシーズンズリゾート・ボラボラと同じ内容のトリートメントを提供した。


▽開業から好調な滑り出し、需要の多様化が実現

 フォーシーズンズリゾート・ボラボラは、競合ホテルにはない独自性を活かして、好調な滑り出しを見せている。カー氏によると、2008年の稼働率は通年では約50%で、クリスマスや年始は満室になった。カー氏は、「(約50%は)価格帯が1泊700ユーロからの全室スイートのプロパティとしては、大変順調なスタート」と評価。世界的な景気後退の影響はあるものの「予約動向の見通しは明るい」といい、先行きにも期待を示す。

 好調さの理由としては、ボラボラ島の他ホテルがハネムーン需要に特化しているのに対し、ファミリー層などのレジャー需要やインセンティブなどのグループ需要を取り込めていることも一因。宿泊客のセグメントごとの割合は、団体が約10%、30%から40%がハネムーン、残りがレジャーの旅行者だ。ファミリー層からの支持を裏付ける数字としては、年始に全121室に対して60人の子供が滞在していたという。セグメントの多様化は、特に25ヘクタール(約25万平方メートル)で他ホテルの「少なくとも2倍」の敷地を有効に活用し、子ども用の施設や会議用の施設を充実した結果だ。また、ポリネシア文化も他のビーチリゾートと差別化できるポイントという。