北欧デザインを巡る旅(4)フィンランド、買物目当てのFIT女性客が増加

  • 2009年2月19日
 高い機能性と洗練された美しさ。北欧デザインの王道ともいえるフィンランドのデザイン。建築から、家具、日用雑貨、家電製品まで、この国もプロダクトデザインの最先端をいく国である。

 美しさと使いやすさを兼ね備えたキッチンウエアやテーブルウエアで知られる「イッタラ」、北欧の自然や美しい風景を切り取ったような大胆な絵柄で人気の「マリメッコ」など、日本でもよく知られるこれらのブランドもフィンランド生まれ。また世界最大の携帯電話機メーカーである「ノキア」が本社を置くのもフィンランドである。

 フィンランド政府観光局によると、近年滞在型のFITが増えており、その多くが女性だという。2005年から2007年の間、訪問者数は毎年平均で5%伸びており、安定した人気がうかがえる。イッタラやマリメッコなどの人気ブランドの影響もあるが、有名無名にかかわらずセンスのいい小物や雑貨がそろうヘルシンキが、ショッピングフリークの女性たちに受けているのだろう。

 ちなみに、イッタラやマリメッコなどの商品は、現地では日本で購入するよりも20%から40%も安く購入できる上に、日本未入荷のアイテムも豊富にそろっている。また、日本から直行便を使えば9時間30分でアクセスできる利便性の高さも見逃せない。

 ビジット・フィンランドの能登重好氏は「ヘルシンキを訪れたら、中央駅近くの『デザイン・ディストリクト』に、ぜひ足を運んでみてほしい。ここにある『デザイン・フォーラム・フィンランド』は、新進気鋭の若手デザイナーの作品から、お馴染みの定番デザインまでそろう、フィンランドのプロダクトデザインを俯瞰するのに最適な場所」と、デザインを楽しむ観光スポットを提案。「ショッピングストリートとして知られるエスプラナディ通り、家具やアンティークのショップが多いアンナ通りや住人にアーティストが多い地域のプナヴオリ地区なども含まれる必見のエリア」とポイントを紹介する。

 また、この他にもクラシックな外観ながら、展示はバラエティに富む「デザイン美術館」や、美しいフィンランドデザインの文房具などが揃うミュージアムショップのある「国立現代美術館キアズマ」など見どころも豊富。ショッピングを楽しみたい人も、本格的に「デザイン」に興味がある人も十分満足できるスポットが揃うヘルシンキは、FITの滞在型からパッケージツアーまで、様々な旅の提案ができるだろう。ビジット・フィンランドでは、自然などの観光素材と共にシーズンに左右されない「デザイン」というテーマで、これからも積極的にプロモーションをしていく予定だという。


▽フィンランド政府観光局
http://www.moimoifinland.com/

▽デザイン・フォーラム・フィンランド
http://www.designforum.fi/

▽デザイン美術館
http://www.designmuseum.fi/

▽国立現代美術館キアズマ
http://www.kiasma.fi/


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