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JATA、メコン地域観光促進委員会を設立−ベトナムやミャンマーなど拡大めざす

  • 2009年1月19日
 日本旅行業協会(JATA)は、「メコン地域観光促進委員会」の設立を決定した。タイとベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーのメコン地域各国への日本人訪問者数を拡大し、ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の日本人海外出国者数2000万人の目標達成に貢献するねらい。この地域への日本人訪問者数は、2006年と2007年では年間190万人前後で、総出国者数の約11%を占めている。委員や具体的な活動計画は未定だが、今後具体化に向けて議論を進めていく予定だ。

 設立の背景には、観光庁がベトナムと日越観光協力委員会を継続中であることや、日タイ経済連携基本協定(EPA)で観光分野における協力が定められ、近く設置される観光分野委員会にJATAが参加する予定であること、外務省が2009年を日メコン交流年と位置付けていることがある。また、旅行業界としても、全体の11%を占める方面でありながら、この地域への日本人訪問者数の70%弱を占めるタイ以外は一国単独でのプロモーションで明確な成果につなげることが困難であることも理由の一つだ。JATAの地域観光促進委員会で、各国間のマイナス部分の相互補完や、メコン地域内の国々を組み合わせた旅行商品の取り組みを強化し、全体の拡大をめざす。

 想定する委員は、日本ミャンマー観光促進委員会(MJTC:事務局長・松岡修氏/エーペックスインターナショナル)の会員や、メコン地域諸国を主要デスティネーションとする旅行商品の造成、販売、手配を取り扱うJATA会員、航空会社、アジア太平洋観光交流センター、日本アセアンセンターなどの国際交流機関を想定。将来的には、各国の政府観光局や旅行業界関係者、ホテルをメンバーに含めて協議会を設立し、発と受けの双方が一体的にプロモーションを展開できる枠組みを設ける考え。なお、MJTC会員については、1月16日に開催されたMJTCの会合でJATA側から設立の趣旨を説明し、出席した会員から賛同を得ている。この席でMJTC委員長でジェイティービー旅行事業本部海外企画部長の山崎道徳氏は、「人・物・金を結集できるので、効率的なプロモーションが出来るようになる」と歓迎の意を示した。


▽まずはベトナムとカンボジア−タイはイメージ回復、ミャンマー/ラオスは来年以降に成果を

 プロモーションは、当面はベトナムとカンボジアを中心に展開する計画だ。これは、各国の中で特に成長率が高いため。ベトナムの場合、2007年は39万7727人で2002年に比べると42.2%増、カンボジアは16万163人で53.5%増となっている。タイは成熟したデスティネーションであるため、昨年末のバンコクでの混乱によるマイナスイメージの脱却と回復を最優先課題とし、2009年2月末に予定される日タイEPA観光分野委員会への参加、タイ旅行業協会(ATTA)やタイ航空(TG)、タイ国政府観光庁(TAT)との連携を進める。

 また、ミャンマーとラオスは、「安心・安全」のイメージの浸透など「イメージの変革」に取り組むほか、「積極的な商品企画・販売環境の形成」と「日本人観光客誘致の効果的なシナリオ作成」を中長期的に進め、2010年以降に成果を出したい考えだ。