名作映画で巡るニューヨーク(3)−『魔法にかけられて』

  • 2008年12月17日
 今年も映画のロケ地を巡るツアーがいくつか企画されたが、今春公開されたディズニー映画『魔法にかけられて』でも、公開記念でロケ地を巡るツアーが企画された。今回は、その『魔法にかけられて』を中心に、セントラル・パークとその周辺でロケされた映画とあわせて紹介していこう。

 おとぎの国のお姫様・ジゼルが魔女のたくらみに引っかかり、現代のニューヨークにやって来るというファンタジー『魔法にかけられて』。ジゼル、そして彼女を追ってきたエドワード王子らが出現するのは、「タイムズ・スクエア」。いつもにぎわっている場所だけに、『バニラ・スカイ』の冒頭でトム・クルーズが人っ子一人いないこの場所を走りぬけるシーンは印象的だった。

 さて、ジゼルが暮らすことになる弁護士・ロバートのアパートは、実際にRiverside Driveと116th St.の角に面した高級アパート。外観や印象的なエントランスもそのままだ。

 この映画の中でもっとも楽しいシーンが、セントラル・パークでミュージカル・ナンバー“That’s How You Know”が歌われるところだ。「ロブ・ボートハウス」など園内の名所が出てくるが、ダンサーたちが大勢で歌い踊るクライマックスは、公園のほぼ中央にある「ベセスダ・テラス」で撮影された。ここは天使の像が建つ円形の噴水広場で、『素晴らしき日』、『世界中がアイ・ラブ・ユー』『ホームアローン2』などにも登場している。

 ベセスダ・テラスの南にある大きな芝生の広場は「シープ・メドウ」。かつて羊が放牧されていたことからついた名で、晴れた日はここに寝転がって日光浴する人が多い。ここでランチや読書などで午後のひと時を過ごせば、ニューヨーカー気分が味わえる旅行ができるだろう。芝生と摩天楼のコントラストはニューヨークならではの風景で、『ハンナとその姉妹』や『メン・イン・ブラック2』など多くの映画に登場。『フィッシャー・キング』のラストで、主人公の2人が星空を見上げるシーンも印象的だ。コンサートなどのイベントが開かれることも多いので、ニューヨークを訪れるなら、スケジュールを確認しておきたいところ。

 公園の西側にある高級レストラン「タバーン・オン・ザ・グリーン」は、クリスマスシーズンにイルミネーションで彩られることで有名だ。セレブがここでパーティを開催することもある。『ゴースト・バスターズ』で、地獄の番犬に追われたリック・モラニスがこの窓ガラスを割る忘れがたいシーンがある。ほかにも『ウォール街』『ウディ・アレンの重罪と軽罪』、『ニューヨーク・ストーリー』『マンハッタン・ラプソディ』にも登場する。

 セントラル・パークはニューヨークで1、2を争う人気スポット。ニューヨークを訪れる人なら、必ず訪れるといっても過言ではないだろう。ただし、一昔前に比べ、ニューヨークは安全な町となっているが、人通りの少ない場所や日が暮れてからは公園内の森などには立ち入らないように注意したい。


▽スポット データ
■セントラル・パーク(Central Park)
59丁目から110丁目まで南北4キロメートル、東西800メートルにわたり、マンハッタン島の中央を占める。ニューヨーカーの憩いの場で、休日ともなれば多くの人々でにぎわう。冬にはアイススケートのリンクが作られる。
http://www.centralparknyc.org/

■ロブ・ボートハウス(Loeb Boathouse)
East 72nd St. & Park Drive North. New York, NY
ボートのレンタル所とカフェ&レストランを兼ねている。『恋人たちの予感』でメグ・ライアンが友だちと食事をしているのもここ。
http://www.thecentralparkboathouse.com/

■タバーン・オン・ザ・グリーン(Tavern on the Green)
クリスマスシーズンは予約でいっぱいになる。いい席は1ヶ月前におさえておきたい。服装は基本的にカジュアルOKだが、ジーンズ&スニーカー不可。せっかくならおしゃれをして行きたいところ。
http://www.tavernonthegreen.com/


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