名作映画で巡るニューヨーク(1)『ユー・ガット・メール』

  • 2008年12月15日
 現地発のツアーで人気の映画のロケ地巡り。今年公開の映画『Sex and the City(SATC)』に関連し、ニューヨークのマンハッタンでのロケ地巡りツアーは盛況で、日本からもツアーが組まれたほど。今週はクリスマスシーズンにあわせ、マンハッタンを舞台にしたロマンチックな映画を取り上げ、ニューヨークのスポットを巡ってみる。第1回目は、全編マンハッタンを舞台にした『ユー・ガット・メール』のロケ地を中心に、アッパー・ウエスト・サイドを紹介する。

 街角の小さな絵本ショップを経営するキャスリーン(メグ・ライアン)は、インターネットのチャットで知り合った男性“NY152”からのメールを心待ちにしている。会ったことはなくとも、彼は何でも打ち明けられる友人だ。クリスマスシーズンが近づいたある日、彼女は店のそばに安売りの大型書店がオープンすることを知る。その書店の責任者ジョー(トム・ハンクス)こそ“NY152”だったが、二人はそのことを知らずに激しく対立してしまう・・・。

 ジョーとキャスリーンが暮らすのは、セントラル・パーク西の高級住宅街アッパー・ウエスト・サイド。キャスリーンが住んでいるのは“W 89 St.”、ジョーは“152 Riverside Drive”だ。二人は家から同じように歩いて南下し、仕事場に向かう。

 絵本ショップ「街角の店」は実際にはなく、“W 69 St.”にあるチーズとアンティークの店「マヤ・シェイパー」の外観を改装したもの。店内はセット撮影で、外観も異なり、表に目印のベンチがないのでわかりづらいかもしれない。ジョーの大型書店「FOX」も架空の店で、“Columbus Ave.”にあった「バーニーズ」が閉店した直後を改装して撮影した。

 二人の生活圏はブロードウェイ沿い。初めて待ち合わせをし、ジョーがメル友はキャスリーンだと気づく店は、83丁目にある「カフェ・ラーロ」。カフェ・ラーロからブロードウェイに出て南下すると、81丁目の角には二人がよく利用し、ジョーが「一杯のコーヒーを頼むのに決断力が必要」と語る「スターバックス」店がある。ブロードウェイ沿い“W 80 St.”の角には、現金専用のレジに並んでしまったキャスリーンにジョーが助け舟を出すスーパー「ゼイバーズ」がある。お惣菜コーナーが充実していると評判だ。

 ブロードウェイをさらに南下してみよう。物語の後半、すでに打ち解けるようになってきたジョーとキャスリーンが通りのベンチに座ってベーグルやリンゴをかじっているのは、ブロードウェイとアムステルダム通りが交差する場所にある小さな公園「ヴェルディ・スクエア」だ。もちろん作曲家ヴェルディにちなんだ名前で、ここはアッパー・ウエスト・サイドの入り口でもある。映画にも出てくる目の前のホットドッグ屋は、人気の「グレイズ・パパイヤ」。この広場には地下鉄の入り口には見えない小さなレンガ造りの「72nd St.駅」入り口がある。『ダイハード3』でマクレーン刑事が呼び出された場所だが、映画に出てくる公衆電話はない。

 さて、映画のラスト。キャスリーンと“NY152”の待ち合わせの場所になるのは、ここからは少し離れているが、リバーサイド・パークの中の「91 St Riverside Park」のフラワーガーデン。見つけにくかったら、南北戦争の石碑から降りていけばわかりやすいだろう。


▽スポット データ
■マヤ・シェイパー Maya Schaper Cheese & Antiques
住所:106 W 69 St.

■カフェ・ラーロ(Cafe Lalo)
住所:201 W. 83rd St. (M)86 ST駅 
http://www.cafelalo.com
住宅地にある、ケーキがおいしい洒落たカフェ。値段もやや高め。お店の外には、映画で使われたシーンの写真が貼ってある。

■ゼイバーズ(Zabar’s)
住所:2245 Broadway (M)79ST.駅
http://www.zabars.com
サンドイッチやスシなどの惣菜が充実しており、ここで買ってセントラル・パークでランチしてみては。2階のキッチンウエア売り場もおすすめ。

■グレイズ・パパイヤ(GRAY’S PAPAYA)
住所:2090 Broadway(71 St.) かなりの人気店で、ホットドッグを買うには行列覚悟で。