ハワイ体験レポート:アラサー、アラフォー世代が注目するオアフ島めぐり
アラサー、アラフォー世代が注目するオアフ島めぐり
〜日本語ガイドのスピリチュアル&ハレイワ星空ツアー〜
女性を中心にスピリチュアル・ブームが続いている。国内では伊勢神宮や出雲大社のお守りが飛ぶように売れ、四国八十八ヶ所の巡礼地では、菅笠・白衣に身を包み、金剛杖を手にした女性を見かけることもめずらしくなくなった。ブームの中心にいるのは“アラサー”、“アラフォー”と称される、30歳前後から40歳前後の女性。かつて、ショッピングをめあてにハワイに通った女性たちは今、スピリチュアル・アイランドとして、改めてハワイに注目している。今回はブームになりつつあるオアフ島のスピリチュアル・スポットを、半日で巡るツアーに同行した。(取材協力:ハワイ州観光局、大韓航空 取材:工藤史歩)
スピリチュアル・スポット、パワーを体感した参加者も
今回のツアーに参加した面々は、カップルや母親と娘など。午後0時30分ごろ、ワイキキのホテルからツアーバスに乗り込んだ。日本語ガイドは、ハワイ生まれのマツオ・マサヒコ氏。「ワイキキとは、ハワイ語で“豊かに湧き出る水”を表します」とか「ダイヤモンドヘッドは『レ・アヒ』と呼ばれていました。 “マグロの頭”という意味で、そんな形に見えますね」と、なじみやすい導入でハワイ語やハワイの文化について語りはじめる。
午後1時20分、最初の目的地であるアイエア地区のヒーリング寺院「ケアイワ・ヘイアウ」に到着。かつては薬草を栽培したり、薬草について学んだり、カフナ(神官)が病気の治癒を行っていたという。ここで、マツオ氏が取り出したのは、ハワイ語で“2つのひょうたん”という意味の「イプ・ヘケ」という楽器。聖石の上にクリスタルを置き、参加者全員が手をつないでマツオ氏を囲むと、古代のカフナに敬意を表してチャンティング(詠唱)を歌い、目を閉じてオリ(祈り)を捧げる。カーッと照りつける太陽、もの音ひとつしない、静まりかえった寺院――。言葉を発する人はおらず、なんだか神聖な気持ちになってくる。
次は、ワヒアワ地区にある2つのスピリチュアル・スポット。「ワヒアワ・ヒーリングストーン」と、オアフ島の聖地といわれる「クカニロコ・ヘイアウ」へ。ワヒアワ・ヒーリングストーンは、マナ(霊的な力)を持つ石といわれ、触れると病を治癒する力が宿ると信じられている。黒くて大きな石はハワイの四大神「ロノ」のご神体とされ、地元の人々から大切にされている。靴を脱ぎ、祠に入って3つの石に触れる。たくさんの人がさすったのだろう。ひんやりとした石の表面はなめらかで、磨かれたように光っている。
一方のクカニロコ・ヘイアウは、お産の地と定められた古代の王族の聖地。かつて、王族の女性は、18名ずつの2組の神官に見守られ、この地で出産したという。現代では地元の人々が石に座って読書をしたり、お弁当を食べたり、のんびり過ごして身体にマナを入れていくのだそうだ。この日は、黒いラブラドールを連れた中年の女性が、静かに読書をしている。ツアー参加者も思い思いに石に座り、マナを感じる。
パイナップル、シェーブアイスに
クラシックなハンバーガーを満喫
ツアーではスピリチュアル・スポットのみならず、ホノルルからハレイワでの行程ではずせない観光スポットにも立ち寄る。「ドール・プランテーション」では30分ほど休憩。店内では、パイナップルのカットのデモンストレーションを兼ねた試食もあり、梅干しと塩でつくった「LI HING POWDER」を振りかけて食べるのがハワイ流とか。
サーファーの聖地ノースショアのラニアケア・ビーチで、至近距離で海亀に対面。潮風を楽しんで、夕方にハレイワ・タウンに到着した。ここで小1時間ほどフリータイム。街を散策したり、ショッピングを楽しむ。ハレイワの名物は日系人が手がける2軒のシェーブアイス(かき氷)。どちらも60年近く続いており、「観光客に人気があるのはマツモト・シェーブアイス、ローカルに人気があるのはアオキ・シェーブアイス」とマツオ氏。
地元の人々にも人気のハンバーガーショップ「クアアイナ」に集合して、ディナータイム。日本でもグルメ・バーガーが大ブームだが、ノースショアで食べるクラシックなバーガーの味わいはひとしお。バーガーは、チーズ、パイナップル、フィッシュの3種類から、ドリンクはアイスティーかレモネードが選べる。午後6時30分、そろそろ夕闇が迫ってきた。このツアーのもうひとつのハイライト、スターゲイジング(星空鑑賞)へと向かう。
甘い香りに包まれ、
何ものにも遮られない広い夜空の下で
観測所に移ると、隣にはレイに使われるチューブローズの花畑。この花は、夜になると香りを増す。甘い香りに包まれて、ランプの灯りだけで星を待ちながら、マツオ氏の歌を聴く。今回の歌は「祈り」ではなくマツオ氏による余興とのことだが、参加者からは「星空の下で歌を聞くのも悪くない」と、星空観測へのムード作りにもなっているようだ。
「あ、流れ星見つけた」「あそこにも」。参加者は満天の星空のなか、次々と流れ星を発見してうれしそう。見つけられなかったのは記者を含め数名だけだ。古代、ハワイの人にとって天体は海図となり、島々の発見をもたらしたという歴史やポリネシアの神話などを交えながら、星空を鑑賞する。
スピリチュアル・パワーや星空の美しさはもちろん、「ガイドさんの話が興味深いものだった」「ガイドさんのおかげで、ハワイに親しみを感じた」と、ガイドに対する評価も高かった。ただし、大人1名150米ドルのツアーに対し、「ノースショアに行くツアーは60米ドルくらいが相場」「ハレイワ・タウンに60米ドルで行けるツアーがあることをハワイに来てから知った」という声が出た。このツアーを顧客に案内する上で、奥深いガイディングとともに聖なる島「ハワイ」を楽しむ価値を十分に説明することが、参加者の満足度を高める上で必要だ。
▽スピリチュアル&ハレイワ星空ツアー
タニワエンタープライズ http://www.ithawaii.com/index.html
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◆ハワイ体験レポート:密かなブーム、オアフ島の“へそ”にある王族の生誕地(2008/10/16)
〜日本語ガイドのスピリチュアル&ハレイワ星空ツアー〜
女性を中心にスピリチュアル・ブームが続いている。国内では伊勢神宮や出雲大社のお守りが飛ぶように売れ、四国八十八ヶ所の巡礼地では、菅笠・白衣に身を包み、金剛杖を手にした女性を見かけることもめずらしくなくなった。ブームの中心にいるのは“アラサー”、“アラフォー”と称される、30歳前後から40歳前後の女性。かつて、ショッピングをめあてにハワイに通った女性たちは今、スピリチュアル・アイランドとして、改めてハワイに注目している。今回はブームになりつつあるオアフ島のスピリチュアル・スポットを、半日で巡るツアーに同行した。(取材協力:ハワイ州観光局、大韓航空 取材:工藤史歩)
スピリチュアル・スポット、パワーを体感した参加者も
今回のツアーに参加した面々は、カップルや母親と娘など。午後0時30分ごろ、ワイキキのホテルからツアーバスに乗り込んだ。日本語ガイドは、ハワイ生まれのマツオ・マサヒコ氏。「ワイキキとは、ハワイ語で“豊かに湧き出る水”を表します」とか「ダイヤモンドヘッドは『レ・アヒ』と呼ばれていました。 “マグロの頭”という意味で、そんな形に見えますね」と、なじみやすい導入でハワイ語やハワイの文化について語りはじめる。
午後1時20分、最初の目的地であるアイエア地区のヒーリング寺院「ケアイワ・ヘイアウ」に到着。かつては薬草を栽培したり、薬草について学んだり、カフナ(神官)が病気の治癒を行っていたという。ここで、マツオ氏が取り出したのは、ハワイ語で“2つのひょうたん”という意味の「イプ・ヘケ」という楽器。聖石の上にクリスタルを置き、参加者全員が手をつないでマツオ氏を囲むと、古代のカフナに敬意を表してチャンティング(詠唱)を歌い、目を閉じてオリ(祈り)を捧げる。カーッと照りつける太陽、もの音ひとつしない、静まりかえった寺院――。言葉を発する人はおらず、なんだか神聖な気持ちになってくる。
次は、ワヒアワ地区にある2つのスピリチュアル・スポット。「ワヒアワ・ヒーリングストーン」と、オアフ島の聖地といわれる「クカニロコ・ヘイアウ」へ。ワヒアワ・ヒーリングストーンは、マナ(霊的な力)を持つ石といわれ、触れると病を治癒する力が宿ると信じられている。黒くて大きな石はハワイの四大神「ロノ」のご神体とされ、地元の人々から大切にされている。靴を脱ぎ、祠に入って3つの石に触れる。たくさんの人がさすったのだろう。ひんやりとした石の表面はなめらかで、磨かれたように光っている。
一方のクカニロコ・ヘイアウは、お産の地と定められた古代の王族の聖地。かつて、王族の女性は、18名ずつの2組の神官に見守られ、この地で出産したという。現代では地元の人々が石に座って読書をしたり、お弁当を食べたり、のんびり過ごして身体にマナを入れていくのだそうだ。この日は、黒いラブラドールを連れた中年の女性が、静かに読書をしている。ツアー参加者も思い思いに石に座り、マナを感じる。
パイナップル、シェーブアイスに
クラシックなハンバーガーを満喫
ツアーではスピリチュアル・スポットのみならず、ホノルルからハレイワでの行程ではずせない観光スポットにも立ち寄る。「ドール・プランテーション」では30分ほど休憩。店内では、パイナップルのカットのデモンストレーションを兼ねた試食もあり、梅干しと塩でつくった「LI HING POWDER」を振りかけて食べるのがハワイ流とか。
サーファーの聖地ノースショアのラニアケア・ビーチで、至近距離で海亀に対面。潮風を楽しんで、夕方にハレイワ・タウンに到着した。ここで小1時間ほどフリータイム。街を散策したり、ショッピングを楽しむ。ハレイワの名物は日系人が手がける2軒のシェーブアイス(かき氷)。どちらも60年近く続いており、「観光客に人気があるのはマツモト・シェーブアイス、ローカルに人気があるのはアオキ・シェーブアイス」とマツオ氏。
地元の人々にも人気のハンバーガーショップ「クアアイナ」に集合して、ディナータイム。日本でもグルメ・バーガーが大ブームだが、ノースショアで食べるクラシックなバーガーの味わいはひとしお。バーガーは、チーズ、パイナップル、フィッシュの3種類から、ドリンクはアイスティーかレモネードが選べる。午後6時30分、そろそろ夕闇が迫ってきた。このツアーのもうひとつのハイライト、スターゲイジング(星空鑑賞)へと向かう。
甘い香りに包まれ、
何ものにも遮られない広い夜空の下で
観測所に移ると、隣にはレイに使われるチューブローズの花畑。この花は、夜になると香りを増す。甘い香りに包まれて、ランプの灯りだけで星を待ちながら、マツオ氏の歌を聴く。今回の歌は「祈り」ではなくマツオ氏による余興とのことだが、参加者からは「星空の下で歌を聞くのも悪くない」と、星空観測へのムード作りにもなっているようだ。
「あ、流れ星見つけた」「あそこにも」。参加者は満天の星空のなか、次々と流れ星を発見してうれしそう。見つけられなかったのは記者を含め数名だけだ。古代、ハワイの人にとって天体は海図となり、島々の発見をもたらしたという歴史やポリネシアの神話などを交えながら、星空を鑑賞する。
スピリチュアル・パワーや星空の美しさはもちろん、「ガイドさんの話が興味深いものだった」「ガイドさんのおかげで、ハワイに親しみを感じた」と、ガイドに対する評価も高かった。ただし、大人1名150米ドルのツアーに対し、「ノースショアに行くツアーは60米ドルくらいが相場」「ハレイワ・タウンに60米ドルで行けるツアーがあることをハワイに来てから知った」という声が出た。このツアーを顧客に案内する上で、奥深いガイディングとともに聖なる島「ハワイ」を楽しむ価値を十分に説明することが、参加者の満足度を高める上で必要だ。
▽スピリチュアル&ハレイワ星空ツアー
タニワエンタープライズ http://www.ithawaii.com/index.html
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