ハワイ体験レポート:レイ、ハワイの楽器「イプ」メイキングに挑戦

  • 2008年11月20日
レイや楽器作りでフラに触れる
JALフラ・ウィークのハワイ・カルチャー体験


 11月1日から30日までの「JAL フラ・ウィーク2008 オータム」では、フラの鑑賞イベントに限らず、フラを踊る参加型のプログラムや体験型プログラムも用意している。特に体験型プログラムの中には、フラのレッスンのほか、フラに欠かせないレイや、ハワイの楽器「イプ」のメイキングなどもあり、フラそのものに興味がない人も楽しめるイベントが企画されている。今回から開始したというレイ・メイキング、今年6月のフラ・ウィークに引き続き実施された「イプ・メイキング」を体験してみた。(取材:横堀淳)



自分好みの色どりでレイ・ココ作り

 レイ・メイキングの会場は、ワイキキ・ビーチ・ウォークにあるハワイアン・ショップ「マナ・ハワイ」。キング通りで古くからフラ関連の商品を扱う「フラ・サプライ・センター」が満を持してワイキキに出店したもので、こだわりの品揃えが並ぶ。購入目的でなくても、ハワイ文化に興味のある方にはおすすめの1軒だ。

 プログラムはJALグループ便の搭乗者を対象に、希望者のなかから抽選される限定企画で、取材当日の参加者は15名。それと見てフラを習っていると分かる女性が数名、見るからにハワイのリピーターの方、結婚式の同行者の家族連れなど、その面々はバラエティ豊か。今日、作るのは首からかける花のレイではなく、頭につけるレイの変形で髪飾りの「レイ・ココ」だ。ブーゲンビリア、ベイビーズ・ブレス、ハイビスカスの葉、パラアと呼ばれる緑の葉など、色とりどりの素材がテーブルの上に並んでいる。

 作り方はシンプル。乾燥させた「ラウハラ」の葉を軸とし、その葉に沿って自由に好みの花や葉を巻きつける作業の繰り返しだ。目標は8インチ(約20センチメートル)。スタッフによると完成までに約2時間かかるため、根気が必要だ。あまり大きくなり過ぎないよう、スタッフにアドバイスをもらいながら注意して巻きつけていく。「普通のレイを作りに来たつもりだったけど、こちらの方が面白そう」と、参加者は熱心に作業を進めている。

 開始から1時間30分が経過したころ、早い人は作品を完成。バッグや腕、髪につけて、記念写真を撮影し、作品の出来栄えに自然と頬がほころんでいる。スタッフが作品が少しでも日持ちして持ち帰れるように、霧吹きで水をかけ、ジップ付きのビニール袋に入れてくれた。自分で作った「ココ・レイ」は世界に1つのお土産となり、ハワイ旅行の思い出になるだろう。



男性にも好評、イプ・メイキング

 イプとはハワイ語で「ひょうたん」のこと。古くからハワイの人々の生活に密着したもので、150種類以上の使い方があったのだそうだ。例えば、古代ポリネシアではバッグのかわりに水や魚、食べ物などを入れて運んだという。古代から儀式などで打楽器としても使用され、イプを繋げて2連にした「イプ・ヘケ」は地面において叩くが、「イプ」は小さいので手に持って叩く。フラで踊りながら使うこともあり、今回作るのもこの「イプ」だ。

 参加者は13名で、そのうち男性が5名もいる。まずは、マナ・ハワイのオーナーのマイクさんから、イプとハワイアン・カルチャーの簡単なレクチャーを受け、近くの「アウトリガー・リーフ・ホテル前」のビーチへ移動し、制作を開始。使用するイプはメキシコ産。ハワイのイプは数が少ないのだそうだ。

 イプ・メイキングは、「洗う」「土・水をつけて磨く」「上部を切る」「切断したひょうたんに水を入れる」「ふやかす」「中身(種、樹脂)を削り、取り出す」という手順ですすむ。今回は作業時間を短縮するため、磨きの作業では金属性のたわしを使用。出来あがりの段階で中に種が残っていると、帰国時の空港植物検疫で没収されてしまうので注意が必要だ。またできる限り薄く削ると、より良い音が出るらしい。

 仕上げのやすりがけのあと、マイクさんの最終チェック。「もう少し削る必要がある」とされた場合は、ホテルで仕上げるのだそうだ。参加者は自作のイプの音色を確認し、満足気。最後に、マイクさんがイプの使い方を全員にレッスンし、ビーチに並んでフラの基本の動きで横に移動する「カホロ・ステップ」にあわせて、たたきながら踊ってみる。性別や年齢に関係なく、誰もが笑顔で踊っていた。




幅広い年齢にも受け入れられる、
商材としての可能性も


 プログラムに参加した子ども連れのファミリー家族連れは、奥さんと子どもがフラを習っており、ご主人のハワイ旅行は初めてだが、奥さんは5、6回目のハワイリピーター。ホテルは個人で、航空券はマイレージで獲得し、日本航空(JL)のホームページでこのイベントをみつけて参加したのだそうだ。

 また、東京から参加した男性は、奥さんがフラのレッスン・イベントに参加する間「イプ・メイキング」に参加するようにすすめられたそうだ。作ったイプはふたりで共有するそうで、制作は思ったより簡単で楽しいと笑顔で答えてくれた。

 レイやイプ・メイキングのほかには、ククイナッツの携帯ストラップ・メイキングや、レベルにあわせたフラのレッスンも充実しており、特に早朝のビーチでの「モーニング・フラ」は人気が高い。今回参加者の話から、家族同伴のMICEプログラムにもこうしたイベントを企画し、連動させることで満足度が高まると思える。夫婦のいずれかが学会やコンベンションなどに参加している間、もう一方の保護者と子どもたちがカルチャー・イベントに参加する。グループ誘致の「商材」になりえるだろう。