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中国・成都市、渡航情報引き下げで訪問者回復に期待−JATAも注力へ

  • 2008年11月10日
 中国四川省の成都市からこのほど11名のミッション団が来日、11月7日に旅行業界向けのセミナーを開催、成都や成都周辺地域の四川大地震からの復興状況などについての情報を提供した。同市の観光プロモーションを担う成都文化旅游発展集団総経理助手・常務副会長の代振氏は、「外務省の渡航情報がさきごろに下がった。8月には日本旅行業協会(JATA)と中国国家観光局の主催で視察団が来訪しており、四川大地震の影響を受けていなかったことを理解してもらえていると思う」と語り、パッケージツアーの募集再開と日本人訪問者数の回復に期待を示した。

 代氏に続いて挨拶に立ったJATA海外旅行業務部海外旅行業務グループ・VWC推進室担当部長の秋澤文芳氏は、「渡航情報引き下げ前からパンフレットを作成していた会社の中には、1000名単位で集客できている会社もある」と語って需要の大きさを説明。その上で「JATAとしても、ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の下期の重点市場に中国を選定しており、北京や上海同様、四川省方面にターゲットを絞ってプロモーションを展開したい。プロモーションは観光庁や航空会社、ホテル、メディアなどと連携し、強力に推進する」と強調した。

 四川省は、人気の高い九寨溝が冬は気温の低下により訪れにくくなることから4月から11月ごろまでがシーズンで、旅行会社では来年上期からの商品展開に向けて準備を進めているところが多い。これについて代氏は、「訪問者が少ない今は観光地としての質を向上するチャンス」と捉えているといい、インフラ整備やガイドのトレーニングなど受け入れ側としても準備期間とし、体制を整えて日本人観光客を受け入れる考えを示した。

 また、成都市と九寨溝をつなぐ道路が被災し、通行不可能になっていることについては、「路面の舗装はすべて終わった。すでに通れる状態ではあるが、現在は崖崩れした斜面の補強の作業を進めており、観光客の安全のために作業終了までは受入を再開できない」と説明。作業は「来年4月までには完了する見込み」という。