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カナダ観光局、座席減など厳しい環境も冬季五輪を活用しプラス成長達成へ

  • 2008年10月22日
 カナダ観光局(CTC)セールス担当副社長のアンドリュー・クラーク氏は10月21日、東京で開催中の商談会「KANATA2008」の場で、カナダへの旅行者誘致に強い意欲を見せ、昨年掲げた「2010年に日本人訪問者数をプラス成長」の目標に変更はないことを説明した。クラーク氏は、世界的な経済の不安定化、日本の海外旅行市場の低迷、エア・カナダ(AC)の減便など「環境は全く変わってしまった」としつつ、「地域の観光局や旅行業界と一致団結して立ち向かいたい。2010年にバンクーバーで開催されるオリンピックは絶好の機会で、最大限に活用する」と強調。具体的には、オリンピックに合わせてメディアの関心が高まることから露出をはかるほか、オンラインでの情報提供もすでに始めており、バンクーバーだけでなくカナダ全土の観光情報を積極的にアピールしていく方針だ。

 2009年の具体的な戦略は、現在策定中で、特に「KANATAは地域観光局や旅行会社、航空会社が一同に集まって話し合う良い機会」(CTC日本・中国地区代表のデレック・ガルピン氏)であることから、来週にかけて集中的に討議する。2008年5月から展開したキャンペーンの結果については、「際立った認知向上の効果」(ガルピン氏)が見られたとの評価で、今後も今回同様、地域観光局やACと共同でプロモーションを展開していきたい考え。

 また、このほど、独自の旅行業界向けの教育プログラムのカナダ・スペシャリスト・プログラムも刷新。初級コース「サポーター・レベル」を設けることで従来よりも敷居を低くし、旅行会社社員に広くカナダを知ることができ、カナダに興味をもてる内容をオンラインで受講できるようにした。2009年3月には上級の「アドバイザー・レベル」を稼動し、さらに2009年末には最上級の「スペシャリスト・レベル」を開始する。受講は無料で、ウェブサイト上で自由に登録可能だ。


▽KANATA2008は東京集中で新バイヤーも参加−燃油価格低下や円高に期待の声

 CTCは10月20日から23日まで、東京で商談会「KANATA2008」を開催中だ。昨年までは東京以外に大阪、名古屋でも開催していたが、今回は東京に集中して地方のバイヤーを招待。この結果、これまで参加していなかったバイヤーが参加するなどの効果が得られたという。参加者は、観光局やサプライヤーが47団体・企業の69名で、日本側のバイヤーが117名。ガルピン氏は、「新商品やプログラムを伝えることができ、互いのアイディアや意見も交換できる。我々にとっては、旅行者の傾向やニーズについて理解するチャンス」と効果に期待を示す。

 ブリティッシュ・コロンビア州観光局、オンタリオ州観光局、アトランティック・カナダ4州観光局/プリンスエドワード島州政府観光局、アルバータ州観光公社、ケベック州観光局によると、21日の商談会の旅行会社の反応は、21日が地方のバイヤーを対象にしたものであったこともあり、航空路線に関する話題が多く、ノースウエスト航空(NW)とデルタ航空(DL)の合併についても、早い段階で影響を知りたいとの声があったという。航空座席数の減少を受けた対応としては、ひとまずプロモーションを避けようとする会社と、引き続き取り組んでいく会社に分かれたという。

 一方、円高傾向や、1月からは燃油サーチャージ額の低下が予想されることなどに期待する声もあったといい、観光局側からは来春にむけたプロモーションを提案したという。