若者層の旅行活性化、「代金高すぎる」は「価格の価値が伝わっていない」ため

  • 2008年10月22日
 観光庁・日本旅行業協会(JATA)・ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)事務局が共同で、特に懸案とされる若者の旅行の活性化について「海外旅行意識調査セミナー」として今後の議論や取り組みを促した。既に、観光庁(調査時は国交省)が海外旅行満足度・意識調査を行っているほか、VWCがマクロミルに依頼して若者の意識を調査。これらの結果を受けた分析として、日本交通公社主任研究員の黒須宏志氏は、「海外旅行の旅行代金は高すぎる」の項目が最も高い阻害要因としてあがった事について、「これ以上、安い旅行商品を求めているのではない。価格に対する価値が伝わっていない」と読み、これまでの旅行商品で訴えてきた方向性を転換する必要性を言及した。また、若者層は失業率や正規雇用の減少などから収入が減少していることが指摘されているが、そうした状況でも自己啓発の点から旅行に費用をかける場合もあることも示唆。特に、「留学だけでなく、旅行を手段として若年層に幅広いテーマで訴え」をするよう促した。

 VWC推進室長の澤邊宏氏は、「(ある会社の取扱では)8割以上が親の援助で海外旅行に行く。これを自分で払えるような具体的な商品にする必要がある」として、旅行会社との協力と共に、シニア層への取り組みと同様に投資をするよう呼びかけた。