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豪・ビクトリア州観光大臣、厳しい時こそプロモーション強化−座席減も悲観せず

  • 2008年10月21日
 オーストラリア・ビクトリア州政府の水資源大臣兼金融・ワークカバー・輸送事故委員会大臣兼観光・主要イベント大臣のティム・ホールディング氏がこのほど初来日し、日本市場の取り組みについて語った。ホールディング氏は、カンタス航空(QF)グループの路線再編によるメルボルン線の運休、あるいは世界的な経済不安などについて「課題は多いが、このような時だからこそ、積極的にプロモーションを展開しなければならない」と語り、来日にあわせて東京、名古屋、大阪で開催する「ビクトリア・トラベル・ワークショップ2008」もその活動の一環と説明した。

 ビクトリア州への日本人訪問者数は、2007年7月から2008年6月の1年間で前年比11%減の5万4952人で、このうちレジャー目的の訪問者数は3万4611人。また、31%は50歳以上の熟年層であった。オーストラリア全体への日本人訪問者数は14.4%減の48万3632人で、減少率は全州で最も低く、宿泊数は135万5000泊となり、オーストラリア全体の11.6%減であるのに対して、ほぼ横ばいとなった。客層によって宿泊数の傾向は異なるが、特に修学旅行は「前年並み、あるいは少し超える程度」という。メルボルン線の運休について、「日本人訪問者数が過去最高を記録した時は、直行便が飛んでいなかった頃。運休は残念だが、シドニー経由だけでもQFやキャセイパシフィック航空(CX)、シンガポール航空(SQ)などの路線が利用できる。ジェットスター航空(JQ)のゴールドコースト線もあり、訪問しやすい環境は確保されている」と強調する。

 今後の戦略は、「15年から20年前の訪問者に再訪を促すことと同時に、これまで来たことのない客層を獲得する」こと。特に、熟年層やOL、教育旅行の訪問促進をめざす。プロモーションは「今まで以上にターゲットを限定した予算配分」を考えており、オーストラリア政府観光局(TA)の世界遺産キャンペーンとの連携をはじめ、自然の「体験」に焦点をあてる考え。「体験」は、調査の結果、日本人訪問者のニーズが最も高く、例えば午前中にハイキングで自然を楽しみ、昼食はワイナリーで、午後は高級スパでトリートメントを体験し、夕食は別のワイナリーでとる、といったコースを提案し、「ビクトリア州の全てを体験してもらいたい」という。