ノーザン・テリトリー政観、路線再編の逆境乗り越える工夫を提案

  • 2008年10月20日
 ノーザン・テリトリー政府観光局は10月16日、業界向けのセミナーを開催した。日本地区企画戦略マネージャーの上野哲路氏は、カンタス航空(QF)グループの路線再編によりケアンズ線の座席供給量が減少したことについて「相当の危機感がある」と言及。ただし、ウルル(エアーズロック)はノーザン・テリトリーだけでなくオーストラリアを象徴する観光素材であり、旅行者の需要が減少するわけではないと指摘。その上で、「逆に言えば、パース経由などこれまでになかったルートの開発にも繋がる」とし、逆境をチャンスと捉え、チャーター便の活用なども含め、商品造成に工夫することで状況を乗り越えたい考えを示した。

 セミナーでは、こうした考えからウルルの情報を中心に、キングス・キャニオン、アリス・スプリングスなどを加えた「セントラル・オーストラリア」についての紹介に時間を割き、周遊商品造成のヒントを提供。ウルルについても「意外に知られていない」という、ウルルの背後から昇ってくる朝日の魅力について触れたほか、カカ・ジュタの風の谷ウォークなどを紹介。キングス・キャニオンについては、「キングス・キャニオン・リゾートのキャンプ場のテントにはタオルや寝具などが整っており、トイレやシャワーもきれい」と語り、ウルルでホテルに宿泊し、キングス・キャニオンでは1泊キャンプ体験を組み込む日程を提案した。

 また、アリス・スプリングスについては、中央オーストラリアの歴史や生活を体験できる場所のほか、アボリジナル・アートの本場として提案。先ごろに東京と大阪で開催されたアボリジナル・アートの展覧会「エミリー・ウングワレー展」に多くの来場者が来たことに触れ、アボリジナル・アートに興味を持つ潜在的な需要は少なくないと指摘した。