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ハワイ体験レポート:密かなブーム、オアフ島の“へそ”にある王族の生誕地

  • 2008年10月16日
密かなブームに注目、オアフ島の“へそ”にある王族の生誕地と
天然成分の石鹸工房を訪ねるスピリチュアル&ナチュラルなハワイ


 ワイキキの外へ出て、ローカルな体験をする傾向はこの数年、ハワイを訪れる観光客で顕著だ。特にハワイ通のヘビー・リピーターは、情報収集力、新しい発見への貪欲さから、その傾向をリードしている。さらに、彼らが発見、体験する「新しいハワイ」は、ブログや口コミから一般に普及し、現地ランド・オペレーターがオプショナル・ツアーを造成するまでに発展している。今回は、タイムシェアのオーナーでもあるヘビー・リピーターの日本人親子と一緒に、密かにブームになりつつあるスピリチュアル&ナチュラルなスポットを訪れた。(取材:横堀淳)



スピリチュアル・スポット、王族の生誕地「クカニロコ・バース・ストーン」

 ホノルルから高速1号線から2号線を経て、オアフ島北部のノースショアに向かう。パールリッジ、ミリラニという町を抜けると、オアフ島のへそ(ピコ)と呼ばれるワヒアワという町が現れる。軍の施設に囲まれるこの町は大概の観光客は素通りするが、この町外れに今、スピリチュアル・スポットとして密かにブームとなっている史跡があるのだ。

 ハワイでは、古代ハワイアンの歴史的な聖地を「ヘイアウ」と呼ぶ。今回、訪れた「クカニロコ・バース・ストーン」もその1つ。現在もハワイの人々のあいだで神聖とされており、「クカニロコ」という地名は、ハワイ語で「内部からの叫びを収める」という意味がある。その地に奉られている「バース・ストーン」は、11世紀から18世紀までの約700年間、その岩の上で「多くの王族女性が出産した」と言われる。それだけの長い期間に渡り、出産を助けてきたのは、バース・ストーンには産みの苦しみをやわらげる不思議な霊力(マナ)があると信じられているから。さらに、岩の上で産まれた子供は将来も大成すると言い伝えられ、王族の女性たちはその力を授かろうとオアフ以外の島からこの場所を訪れたという。

 その聖地は、パイナップル畑と赤土が広がる大地にユーカリや樺、そしてヤシの木で囲まれていた。祀られている岩には訪れた人々がレイをお供えした跡があり、厳粛な雰囲気が五感に伝わってくる。よく見ると、切断された木の表面に古代ハワイアンのペトログリフがある。文字を持たなかった古代ハワイアンが、木に刻み残した象形文字のメッセージだ。一緒に訪れたヘビー・リピーターの親子は、「ハワイ島以外でペトログリフを見るのは初めて」と興奮気味だ。

 後で聞いた話だが、この地に立ち入る前、心のなかで自己紹介を唱えることで、パワーをもらえるそうだ。神聖な場所なので敬意をもって訪れるようにしたいが、こうした「儀式」的な手順も事前に知っておきたい。



ハワイの天然成分がつまったバス&ボディーの石鹸

 せっかく、オアフの“へそ”といわれる「クカニロコ・バース・ストーン」を訪れるなら、ノースショア方面へ足を伸ばしたい。その組み合わせとしておすすめなのが、オアフ島でもひときわゆったりとした空気が流れる「ワイアルア」という町。ノースショアの西の入り口であり、のどかな街並みで観光客にも人気のハレイワの隣町だ。そんなワイアルアでは、“ナチュラル”にこだわる「ハワイアン・バス&ボディーの石鹸」を販売するショップに立ち寄ってみたい。

 目印は昔のさとうきび精製工場であるオールド・シュガーミルの白い三角の建物。店内には優しい香りが漂い、すべて天然成分から作られた石鹸20種類やローションなどがある。肌の質を見違えるほど向上する石鹸は今や、多くのギフトショップで販売され、高い評判を得ている。同行したリピーターの家族は「身体にやさしいこの石鹸を使うと、他のものはもう使えない」というほど。レンタカーで立ち寄った日本人観光客のカップルも買い物していた。今回はレモングラスとハワイ産ククイ・ナッツのボディオイルを購入。その香りはもちろんのこと、肌にしっとり馴染み、かつ保湿時間も長いことから大変気に入っているそうだ。

 店舗には日本人の店員1名がこのショップに勤務しており、製作行程の見学もでき、興味深い。オンライン・ショッピングで日本から注文できるが、訪問すれば店の雰囲気を体験できる楽しみがある。飾り気のない、スピリチュアルそしてナチュラルなハワイの姿を楽しむ小旅行先の一つとして訪れたい。


ハワイアン・バス&ボディー
67-016 Kealohanui Street, Waialua
電話:808-637-8400 営業時間:9:00 〜 17:00 定休日:月曜
ウェブサイト: http://www.hawaiianbathbody.com



ノースショア−海老の養殖で有名なエリアの超人気店

 ワイアルアまで足を伸ばしたら、隣町のハレイワへ。
今回の目的はエビ屋台。ノースショアが「エビ屋台」で
名を馳せた理由のひとつに、エビが養殖されていること
があげられる。特に有名な町は東側のカフクだが、ハレ
イワにも多くの屋台が出店する。

 私がハワイに移り住んだ8年ほど前、ハレイワからカフ
クまでの間にあったエビの屋台はおそらく5軒程だった。
しかし今回、ハレイワの入り口だけでも5軒ほどの屋台が
並んでおり、その活況ぶりに一緒に訪れたリピーター親
子も驚いていた様子。

 目当ては老舗の「ジオバーニ」。ひと昔前はエビ屋台
のワゴンといえばジオバーニで、屋台ワゴン車に落書き
をさせるアイディアもこの店が始めたものと記憶してい
る。現在はその隣に別のエビ・ワゴン、そしてピザ・ワ
ゴン、さらにタイ料理ワゴンと合計4軒が同じ駐車場の
敷地の中で営業。それでも「ジオバーニ」の人気は根強
く、ほとんどすべての人たちがジオバーニに列をなして
いた。約半数は日本人観光客で、レンタカーやノースシ
ョア観光のツアーで来ているようだ。

 メニューは3種類。ニンニク風味で一番のおすすめのシ
ュリンプ・スキャンピ、ニンニクを抜いて控えめな味の
レモンバター・シュリンプ、そして本当に辛い物が好き
でないと食べられないスパイシー・シュリンプ。どれも
12匹の海老とまんまるのご飯が2つ付く。1番人気のシュ
リンプ・スキャンピを殻まで食べたのだが、エビはプリ
プリ、ガーリックはどっさりで、夕方まで胃袋はその余
韻で満たされた。地元の人たちが「カントリー」と呼ぶ
のどかなノースショアで、ローカルにも人気のハワイの
味をその雰囲気ごと楽しみたい。